「地域全体で若者の挑戦を応援し、街の活気につなげたい」(元野木書店 代表取締役(7代目)元野木 正比古さん)

元野木書店 代表取締役(7代目)元野木 正比古さん

今年の秋も実施される飯塚高校の街なか学園祭。2024年の開催時にはとても大きな盛り上がりを見せました。学園祭の成功の裏には、支えてくださった多くの方々がいます。そんな心強い支援者の皆様へのインタビューを掲載していきます。

今回登場いただくのは、明治10年創業の書店・元野木書店で、代表取締役(7代目)を務める元野木 正比古さん。「地域の大人たちも若者の発想や行動力に刺激を受け、街全体の活性化につながる好循環が生まれている」と語ります。

2022年の初開催時からご協力いただき、2024年にはパン販売や日本語読み聞かせ、愛宕幼稚園バザーの3つの出店でお世話になりました。元野木さんにこの3年を振り返っていただきました。

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「2022年に街なか学園祭が始まった当初は、私を含めた商店街側はこれまでにない取り組みに面食らう部分もありました。普段商店街で見ることのない若い人がたくさん集まってきて『こんなに若者で溢れ返る商店街は初めてだ』と良くも悪くも驚いていたんです。

年配の方を中心に『若者がガヤガヤして……』とネガティブな声もありましたが、そうした意見は年々減ってきました。生徒たちと商店街、街の人たちとの関係性がより良くなるよう、また関わる人たち皆を楽しく巻き込もうと、先生方が工夫を重ねてきた成果だと思います。

2024年まで3年続けて開催されてきた学園祭は、飯塚市にぐっと根付いてきたと感じます。今では『そろそろ街なか学園祭の時期だね』と自然と話題に上るようになり、この街の風物詩になっている印象です。

元野木書店は教科書取扱店ということもあり、このエリアの複数の学校と関わりがあり、先生方からお話を聞く機会もあります。ある高校の先生からは『当校の生徒たちも商店街で活躍する機会があればぜひお声がけください』と声をかけられることもあり、街なか学園祭が周囲の学校にも影響を与えていることが伺えます。

私たち商店街の大人たちも良い影響を受けています。学園祭の開催を通じて、商店街の空き店舗の活用方法など、新たな可能性を見出すきっかけにもなりました。また、空き店舗を積極的に活用していくにあたり、必要なルール整備もしていこう、といった前向きな動きも進んでいます。そして、私たちが思いつかなかったようなアイデアが見事に企画として完成するのを見ていると、彼らのやり切る力から刺激をもらいます。

店舗という場所を提供したり、商店街と学校との間の調整に立ったりする中で、生徒たちがやりたいことを地域の大人として応援し続けたいと思っています。彼らが活躍できるフィールドを用意し、商店街や街全体がそれを受け入れることで、地域が盛り上がっていく。

飯塚市外の企業や大学など、商店街の“外”も積極的に巻き込んで、街なか学園祭の輪がどんどん広がっているのも良い変化だと感じます。街なか学園祭が続く限り、こうして良い循環が生まれていくのではないかと思います」

「街なか学園祭」特設ページ