社会課題を自分ごとに。日本青年会議所+関西大学 坂本治也研究室による「主権者教育」特別講義を実施

飯塚高校では6月24日(火)、飯塚市総合体育館にて2・3年生を対象に「主権者教育プログラム」特別講義を行いました。
本講義は日本青年会議所が主催し、関西大学法学部の坂本治也教授およびゼミ学生の協力のもと実施されました。
本校 常務理事/校長補佐の嶋田吉朗が今年度より、関西大学 客員教授に着任した縁で、所属研究所の坂本教授とゼミ生のお力をお借りすることとなりました。
「政治や社会に少しでも関心を持つことができた」声が多数

本プログラムは、若者が政治や政策形成の過程を理解し、自らが暮らす地域社会の課題に向き合いながら、解決策を主体的に考える機会を提供することを目的としています。日本青年会議所が作成したプログラムを、関西大学坂本ゼミ学生3名が講師役となり実施しました。
本校では、教育目標であるGLI(Global・Local・Individual)に基づき、生徒一人ひとりの主体性を育む取り組みを行っています。その一環として、5月には「自分らしさを見つめ、表現する」ことをテーマに、「メイクアップデイ」やGLIウェア「フリーファッションウィーク」を実施しました。
これらのイベントは、生徒たちが他者と違うことを恐れず、自分自身を大切にしながら、他者への配慮や理解を持ち、地域や世界とのつながりを意識して個性を表現する姿勢を育む機会となりました。
自ら考え、主体的に行動し、表現するという経験を重ねた直後に、本プログラムを受講したことは、生徒たちにとって「主体性」と「社会参画」の関係をより実感をもって学ぶことにつながったと考えられます。
授業は2部構成となり、第1部ではアニメ教材を用いて「対話を続けることの重要性」を通じた豊かな社会の実現について学び、第2部では情報との向き合い方をテーマにワークやディスカッションを通じて学びを深めました。いずれも関大のゼミ生たちが生徒たちをリードしながら、楽しい雰囲気で進行していきました。
参加生徒396名に実施したアンケートでは、第1部の内容について「他者を尊重し、対話を続けることが大切だと理解できた」と答えた生徒が全体の96.7%を占めました。
また、「選挙に参加してみようと思う」と回答した生徒も94.4%にのぼり、主権者としての意識が確実に芽生えていることが伺えます。
第2部では、「情報をそのまま信じるのではなく、多角的に考えることが大切だと理解できた」と答えた生徒が全体の98%を超え、「今後の投票に授業の学びを生かしたい」とする声も96.7%に達しました。
全体を通じて「政治や社会に少しでも関心を持つことができた」と答えた生徒は95.2%となり、主権者意識の醸成につながる貴重な機会となりました。
「政治を自分ごととして捉えるきっかけになった」

続いて、生徒たちの感想コメントには、
「アニメを⾒ながら勉強することでわかりやすかったし、グループトークでみんなと意⾒を深められたのでよかった」
「政治に関する話題は難しいイメージがあり、これまであまり触れる機会がありませんでしたが、今回の授業を通して少し理解を深めることができて良かったです」
「視野を広げて、⽇本の世の中を⾒て⾃分ごととして捉えて、選挙に積極的に活動するのが⼤事だと思った」

「ひとつだけの情報を鵜呑みにしてしまうと、無意識に偏った考え⽅になったり、本当に知りたいことを知れなかったりするため、いろいろな情報に⽿を傾けてさまざまな情報を⽐べながら今後の⽣活に生かしていきたいなと思いました」
など、気づきを得たといった声が多く寄せられ、政治を自分ごととして捉えるきっかけになった生徒が目立ちました。
今回の主権者教育プログラムは、生徒にとって将来の社会参加を考える第一歩となる、とても有意義な時間となりました。
坂本治也教授とゼミ学生からのコメント
本プログラムを終えての振り返りとして、坂本治也教授やゼミ学生(全員4年生)たちからコメントをいただきました。
「高校生に授業を行うことで大学生たちも改めて合意形成や情報リテラシーについて理解を深めることができたと思います」(坂本治也教授)
「高校生たちには、今回の学びを授業の中で完結するのではなく、是非考え続けてほしいです」(米島聖人さん)
「同じこれからの社会を担う若者として、それぞれが真剣に向き合い、考えを深める姿に胸を打たれました。とても充実した時間で、私自身も多くの学びを得られました」(ムンポミさん)
「政治という難しい話題でしたが、みんなが自分の考えを持っていて、この国の未来は明るいと実感しました! この先もみんなが主体者として活躍されることを願っています」(末永みつきさん)
今回のプログラムを通じて、坂本教授およびゼミ生の皆さんからは、本校の生徒たちが真剣に社会課題と向き合い、自らの言葉で考えを深めていく姿勢に対して高い評価をいただきました。
翌日は坂本治也教授による特進コース向け特別講義も
なお、主権者教育プログラムの翌日には、坂本治也教授を本校にお招きし、特進コース1・2年の選抜クラスを対象に特別講義を実施しました。
人文社会系の学問、特に法学・政治学への理解を深め、ゼミ学生とも交流して大学進学に向けた視野を広げる貴重な学びの機会となりました。この特別講義の様子については、別途ニュース記事としてご紹介します。