「地域で自主性と成長を育み、未来につなげる」——飯福商店2024を開催します【先生インタビュー】

飯塚高校は12月21日（土）・22日（日）の10〜14時、飯塚本町商店街の広場「ヲソラホンマチ」にて「飯福商店商い場（以下、飯福商店）※」を出店します。

本校2年9組トータルライセンスコースの生徒たちが主体となり、福岡大学飛田ゼミとの連携を通じて運営される学びの場で、今年で取り組みは3年目となります。

今年は新たに飲食店の出店も行われることとなり、より魅力的な内容にアップデートしました。今回、2年9組担任で本プロジェクト担当の下山剛司先生にインタビューし、活動の内容や生徒たちの成長などについてお話を伺いました。

※飯福商店商い場は、トータルライセンスコースの学生が福岡大学商学部飛田ゼミの学生と共に、商店街の飲食店や書店などのさまざまな店舗様の商品を販売するイベントです。2022年10月22日〜23日にかけて、飯塚本町商店街の広場「ヲソラホンマチ」をメイン会場に実施した初回に続き、2023年も10月に実施し、多くの来場者様から好評をいただきました。

飲食店の出店でパワーアップ

——まず、今年の飯福商店の具体的な内容や昨年との違いについて教えてください。

昨年までの取り組みを踏まえつつ、新たに飲食店を取り入れる挑戦をしました。具体的には、ゼミ生の協力を得て「さつまいもチップスアイス」の販売に挑戦するなど、新たな試みを通じて魅力を高める工夫をしています。店舗数は昨年より減らし、内容を精選しました。

——飲食の中でも、とくにさくっと食べられるおやつ系は大きな引きになりそうですね。

飲食店が加わったことで、訪れる人々がより気軽に楽しめる場となることを目指しています。あともうひとつ、今年はK-POPショップも出店します。K-POPショップを経営するゼミ生のご実家の協力を得ています。人気のK-POP関連商品を販売することで、幅広い層の来場者に楽しんでもらえたらと考えています。

ゼミ生の姿勢を見て意欲が高まる生徒も

——催しとして年々進化を遂げていますね。下山先生は3年に渡り、飯福商店の取り組みを生徒たちのそばで見守ってきました。この活動を通じて、生徒たちはどのような成長をしていると感じますか？

私自身「これをやりましょう」「あれをしましょう」などといった指示出しはせず、メンター的な立場で生徒たちのテンションを上げたり、やる気を引き出したりするサポート役に徹しています。基本的には生徒たちがゼミ生と自主的に進める形を尊重していて、課題が生じた際に生徒たちが相談に来るスタンスです。

そんな前提があるので、ゼミ生とのコラボレーションを通じて、生徒たちの自主性や問題解決力が向上していると感じます。ゼミ生を間近で見ることで影響を受け、「大学って自由でいいな」「自分ももっと勉強をがんばろう」などと前向きな気持ちを抱く生徒もいます。

彼らの姿勢に触発されて学習意欲が高まり、行動変容する生徒も出てきていますね。こうした経験は、生徒たちに新たな目標を持つきっかけや、やり切る力を養う場となっています。

——生徒たちが主体的に動き、やらされている感がない形で、自ら進んで活動を進められる土壌があるわけですね。

そうですね。本当に良い影響を受けています。たとえば、今年のゼミ生の中には本校の卒業生で、吹奏楽部OBもいます。そのOBは街なか学園祭をサポートしてくれました。在学中から飛田ゼミと連携した学びの場を楽しみ、自身の進学やキャリアに生かしていたんです。OBとの関わりや彼らの活躍を見て刺激を受ける生徒たちも多いと思いますね。

プロセスを大事に学ぶ力を育む

——素敵なお話です。2日間の生きた学びを通じて、どのような成果を期待していますか。

販売目標の達成そのものよりも、その目標に向けて行動するプロセスが重要だと考えています。売上を振り返り、達成できなかった部分についても検討し、次に生かすことを目的としています。販売そのものが目的ではなく、計画から実行、そして反省までの一連の流れが教育的に重要と考えています。このプロセスを通じて、生徒たちが学ぶ力を得ることを期待しています。

例えば、イベント終了後に各グループで売上金を確認し、その日の反省点を共有します。また、2日間の出店を通じて得た経験を振り返り、今後の人生や生活にどう生かせるかについて考える場を設けています。売り切れたことだけで満足せず、継続的な成長を目指す姿勢を重視しています。

——ありがとうございました。この2日間が生徒たちはもちろん、地域の皆様にとっても素晴らしい機会になることを願っています。

飯福商店は12月21日（土）・22日（日）の10〜14時、飯塚本町商店街の広場「ヲソラホンマチ」にて開催されます。たくさんのお客様のご来場を心よりお待ちしています。