「都大路」初出場のご報告|選手・顧問からのご挨拶【駅伝部】

飯塚高校駅伝部は、12月21日(日)に京都市のたけびしスタジアム京都(西京極陸上競技場)を発着点に開催された「男子第76回 全国高等学校駅伝競走大会(通称:都大路)」に、北九州地区代表として出場しました。
創部36年目にして初めて立った全国の舞台。飯塚の地で日頃よりかけていただいてきた励ましの言葉、そして当日、沿道から寄せられた大きな声援を力に、選手たちはチーム一丸となって42.195kmを走り切りました。
結果は2時間7分43秒。これまでのチーム記録を更新する走りで、42位という成績を収めました。全国大会という最高峰の舞台で得た経験は、本校駅伝部にとってかけがえのない財産となりました。
選手の走順
1区:松尾翼(3年生・副主将)
2区:山元幹太(3年)
3区:大野晃誠(1年生)
4区:矢野未来翔(2年生)
5区:三明勇斗(3年生)
6区:江川太河(3年生・主将)
7区:田中優至(3年生・副主将)
選手・監督からの振り返りコメント
本大会を振り返り、選手一人ひとり、ならびに監督からのコメントをご紹介します。
1区:松尾翼(3年生・副主将)

「今回、目標であった都大路出場をかなえられたことは、自分にとって貴重な経験となり、これまでにない体験ができました。自分はこれまでに何度か全国大会を経験させていただき、チームの中では一番、全国というレベルの高さを分かっているつもりでした。だからこそ、全国大会が初めての選手たちよりも、気持ちの面ではリラックスしてスタートラインに立つことができました。
本来、1区の役割は上位でたすきを2区に渡すことが最重要とされていますが、自分は“チャレンジャー”として、常に挑戦し続けることを最重要と考えていました。その結果、レース中に前に置いていかれたり、ライバルである宮崎日大や福岡第一に追いつかれて抜かれたり、きつくなったときでも、常に「チャレンジ」を意識し、終始冷静にレースを進めることができました。
結果としてライバルには勝てましたが、あと1秒で29分台を逃したことや、たすき渡しがうまくいかなかったことなど、悔しい点もあります。今回のこの悔しさこそが、次への成長につながると考えています。これから大学に向けて、さらに成長しなければいけないと強く感じました」
2区:山元幹太(3年)

「都大路を走って、最初にレベルの高さを感じました。今までこのレベルで走ることがなかったため、自分の未熟さを再確認することができました。また、準備や時間を守ることの大切さも知り、日常生活から意識していこうと思いました。全国を走れて本当によかったと感じており、サポートしてくれた人たちに感謝したいです」
3区:大野晃誠(1年生)

「いざ都大路を走ってみると、どこを走っても『飯塚頑張れ』『福岡行け』などの応援がありました。堀之内先生の姿もあり、知っている方がたくさんいてくださいました。それにもかかわらず、その声援に応える走りができず、情けなく、弱かったと感じています。
それでも、1年生で3区というエース区間を走ることができ、得たものはとても大きいものでした。1年後、必ず戻り、この3区でリベンジしたいと考えています。
もう地面に手をつくことはしません。松尾さんや江川主将に頼る時代は、もう終わったのだと思います。新時代が始まりました。自分もそのひとりであるという自覚を持って取り組み、このメンバーに新1年生を加え、必ず来年も京都へリベンジします。僕たちのために練習を考え、アドバイスをくださる監督を信じ、今後も走り続けていきます。
多くの方々が支えてくださっていることを、都大路を通して知ることができました。だからこそ、小さなことでも感謝を伝え、笑顔でいること、そして心・技・体という考え方を大切にしながら、今後も取り組んでいきたいと思います」
4区:矢野未来翔(2年生)

「自分は都大路で、自分の小ささを感じました。都道府県選考会でも好成績を残し、福岡第一のエースとも十分に渡り合って勝ちきり、全国でも通用すると思っていました。だからこそ、23分40秒というタイムを予想していました。
ですが、所詮、井の中の蛙でした。自分は、この大会で、翼先輩という絶対的なエースが抜けたあとでも戦えることを証明しなければいけない立場でありながら、それを示すこともできず、5人に抜かれ、あまつさえ第一にも抜かれてしまいました。はっきり言って、今のままではエースになれず、このチームを2年連続で都大路に出場させるという目標を達成できないと思いました。
ですが、この都大路で大海を知ることができました。この悔しい結果と、なめた辛酸の味を忘れず、これからみんなのために頑張っていきます。新1年生を含め、みんなをもう一度あの舞台へ連れて行くという大役を背負って、精進していこうと、都大路を通して決意しました」
5区:三明勇斗(3年生)

「全国高校駅伝という大舞台を通して、全国のレベルの高さを強く感じました。同時に、まだ自分たちは成長することができるという伸び代も実感しました。走っているなかで、沿道から聞こえてくる飯塚の応援はとても力になり、背中を押してくれました。
ラスト1kmの上り坂では、心が折れかけそうになるときもありましたが、そのとき、嘉麻市での県駅伝、九州駅伝での思い出、これまで切磋琢磨してきた仲間たち、そして応援してくださっている多くの方々のことが頭に浮かび、もう一度前を向いて走ることができました。
この都大路での経験は、これからの人生においても大切な宝物です。次のステージでも、この経験を生かし、成長し続けていきたいと思います」
都大路/5区 8,55 (区間25位)
6区:江川太河(3年生・主将)

「憧れの舞台であった都大路を走りました。個人としては、最初の3kmの緩やかな坂で足を使ってしまい、残りの下りの2kmでペースを上げることができず、15分31秒という悔しい結果となりました。大きな舞台で自分の力を出し切ることができず、不完全燃焼で終わってしまいました。
ですが、周りの人からは『かっこよかった』『感動した』と言っていただきました。応援してくれた人たちに、勇気を与える走りができたのかなと感じています。
僕には、まだ経験とタフさが足りません。大学で全国の強い選手と戦うには、長い距離にも、どんな状況にも対応できる強さが必要です。なので、大学までの残り約3か月で距離を伸ばし、強い選手になります。まずは2月の唐津ロードレースで30分50秒を切ることを目標に、長い距離にも対応できる力をつけたいです。残り約3カ月、引き続きよろしくお願いします」
7区:田中優至(3年生)

「今回、都大路を走って感じたことは、地元の応援に加え、現地の方々からもたくさんの励ましの言葉や温かい声援をいただき、とてもうれしかったということです。また、中学校のころの恩師の先生や同級生などからも、LINEやインスタグラムで『頑張って』と勇気づけられる言葉を送ってもらいました。
結果は区間53位と悔しいものに終わってしまいましたが、最後に抜かれたあともついていき、スプリント勝負で勝つことができたのは、今までやってきたことを出し切れたという意味でよかったです。本当に貴重な経験をすることができました。
レース展開としては、8秒ほど前に八戸学院光星高校の選手がいたため、まずはそこを捉えようと走りました。最初の1kmを2分56秒で通過し、よいリズムで走れていました。前の選手との距離も縮まり、よい走りができていると思いましたが、3kmの通過が9分5秒だったため、ペースを上げていかなければと思い、力んでしまい、4km目で3分13秒まで失速してしまいました。
そこから鹿児島城西の選手に抜かれ、ついていくことができず、km3分ペースでトラックまで進みました。最後は東洋大牛久の選手に抜かれましたが、抜かれたあともついていき、自分の強みであるトラックの直線で勝つことができました。ただ、ラスト1kmのラップも2分58秒で、4km目の失速をなくす走りができなかった点が課題として残りました」
監督 佐藤幸之助
「初出場となった都大路。やはり、日常の積み重ねが大切だということを痛感しました。九州駅伝が終わってからの5週間、なかなか練習の組み立てがうまくいかず、長い調整期間となってしまいました。
緊張して力を発揮できなかったというよりも、いかに平常心で生活するかという点が課題でした。前日までは順調に進んでいましたが、当日のトラブルで不安要素が的中してしまい、チーム全体の経験不足が表に出てしまいました。
選手一人ひとりがスタートラインに立つまでに、何をしていかなければならないのか。時間の使い方に、もっと気を配るべきでした。
それでも、松尾が九州駅伝よりタイムを落とすなかで、チームベストの記録を出したことは、何よりの成長でした。それは、飯塚から駆けつけてくれた学校関係者、保護者、OB、応援団、現地の方々のおかげです。
また、飯塚市でパブリックビューイングを行い、応援してくださった飯塚市民の方々の声援があってこその走りでした。本当に大きな後押しを、ありがとうございました」
大会結果・概要

「男子第76回 全国高等学校駅伝競走大会(通称:都大路)」
12月21日(日)
12:30スタート(男子)
たけびしスタジアム京都付設駅伝コース(男子全国高校駅伝コース)
距離 42.195km(7区間)
参加校:58校
飯塚高校の本大会記録:42位 2時間7分43秒(チーム新記録)
飯塚の街からも、都大路へ。パブリックビューイングの様子
大会当日、飯塚東町商店街三叉路付近では、NHKおよび主催事務局の承諾を得て、商店街の皆様のご協力のもと、全国高校駅伝のパブリックビューイングが行われました。
アンテナ線の手配や会場準備など、年末の忙しい時期にもかかわらず、多くの店舗や商店街事務所の皆様が尽力してくださり、公式の形での実施が実現しました。
スタート時には、選手の家族や商店主、飯塚市役所・商工会議所の職員、学校関係者、通りがかりの方々など30名を超える方が集まり、「誇らしい」「次はこの選手たちが箱根を走る姿を見たい」といった声が上がるなど、会場は温かい雰囲気に包まれました。
冬の冷たい風が吹き抜ける中でも、「がんばれ飯塚高校」の小旗を振りながら、地域の方々が一体となって声援を送り続けてくださいました。
このパブリックビューイングを中心となって進めてくださったのは、駅伝部OB(10期生)の山本剛司さん(ヲソラホンマチ運営・飯塚市タウンマネージャー)です。山本さんは次のようなコメントを寄せてくださいました。
「駅伝部には『謙虚な心と感謝の気持ちを持つべし』という部訓があります。そのマインドが今も大切に受け継がれていることを強く感じました。
団体競技の中でも、駅伝は競技中はひとりで走る種目ですが、その襷には部員一人ひとりの思いが込められています。今回のパブリックビューイングでは、地元・飯塚からの応援の気持ちも確かに襷に乗っていると感じました。だからこそ、初の大舞台でもチーム新記録を更新できたのだと思います。
また、今回走れなかった部員にとっても、この駅伝部での経験は必ず人生の糧になります。仲間と共に過ごした時間を大切にし、胸を張って歩んでほしいと思います」
応援いただき、ありがとうございました

全国という大舞台で得た経験と、そこで味わった悔しさは、必ず次につながる大きな糧になると信じています。
日頃より駅伝部を応援してくださっている地域の皆様をはじめ、表敬訪問の際に温かい激励の言葉をかけてくださった飯塚市役所、福岡県庁の皆様、そして本大会出場に向けてご支援くださったすべての関係者の皆様に、心より御礼申し上げます。多大なる応援を、誠にありがとうございました。
今後も飯塚高校駅伝部は、感謝の気持ちを胸に、さらなる高みを目指して努力を続けてまいります。
引き続き、温かいご声援をよろしくお願いいたします。


