3度の交換留学経験を経て「自ら動くことで可能性が広がる」と知った【特進グローバルコース・吉原芽生さん】

NZ・ランギオラハイスクールに交換留学

飯塚高校ではさまざまな国・地域の高校との交換留学の機会を提供しています。提携する協定校は5ヶ国、9校あり、生徒一人ひとりの希望に寄り添った留学を叶えています。交換留学にかかる費用は、条件を満たせば主に往復航空券の代金のみで済むのも魅力です。

2024年夏、ニュージーランド(NZ)ランギオラハイスクールに交換留学し、12月には日本でホストを務めた2年2組(特進グローバルコース)の吉原芽生さんに、留学時の経験やそこで得た学びについてお話を伺いました。

※本記事は2025年2月に取材したもので、学年やクラスは当時のものとなります。

英語漬けの2週間で感じた成長

ランチボックス

滞在したのは2週間ですが、NZは「1年くらい過ごしたい!」と思えるほど、大好きな国になりました。食事が自分の好みに合っていた、という理由が大きいと思います。NZの素材本来の味を生かしたシンプルな料理がとても美味しく感じられました。

朝食はパンで、昼食(お弁当)は自分が食べたいものを選んで自作する「ランチボックス」でした。夕食はメインのお肉に、主食としてマッシュポテトが添えられます。無味のマッシュポテトに塩などの調味料を合わせて、自分好みの味付けに仕上げるんです。味が付いた状態で提供される日本の料理との違いに驚きましたね。

こういった食事のエピソードひとつとっても、NZでは自ら考えて選択すること、自主性を尊重することが重要視されていて、年代を問わず誰もが自立して行動する印象を受けました。ほかにも自立心が育まれる環境だなと感じたエピソードはいくつかあります。

たとえば、NZでは16歳から運転免許を取得可能で、高校生の「車登校」は当たり前。私のバディも免許を持っていて、彼女が運転する車で海に連れていってもらったことも。

ニュージーランドの街並み

自由な校風からも、生徒たちに自主性が委ねられているのを感じました。校則はあったとしても厳格ではなく、髪型や制服の着こなしにも定めがなく、個性が尊重されていました。授業に少し遅れて入ってくる子、授業中にりんごを食べ始める子など「映画の中だけやろ?」と思っていたシーンを現実で見ました(笑)。

毎日1時間の自習時間が設けられているのも特徴で、生徒たちは自分のペースで勉強したり、友達と語り合ったりしていました。私のバディはその時間、購買におやつを買いに行くこともあり、生徒たちが自分の頭で考えて、それぞれが心地よい時間を選び取っているんだな、と感じました。

学校では日本語やNZの歴史などを学ぶクラスで授業を受けました。英語での会話については、はじめはネイティブの話すスピードに頭が追いつかず、伝えたい言葉がなかなか出てこなくて、思い通りのコミュニケーションができませんでした。一方で、相手の話すことは思いのほか理解できていて、「意外と聞き取れてる!」とびっくりしました。

朝から晩まで英語漬けの生活の中で、会話への苦手意識も徐々になくなり、現地でのコミュニケーションに自信を持てるようになりましたね。

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「家族の一員」マインドで迎え入れた

ホストファミリーとして留学生と楽しんだたこ焼きパーティー

12月には、今度は私がホストファミリーとして、NZからバディを迎えました。交換留学プログラムをサポートしてくださるkubota先生から、「留学生はお客さんではなく“家族”として迎え入れること」と教えていただいたのを踏まえて、来日初日から「家族の一員」として接することを心がけました。

もうひとつ、kubota先生からは「自分が受け入れられることに満足するのではなく、恩返しの気持ちを持って接すること」というアドバイスもいただいていました。

NZだけでなく、飯塚高校に入ってから1年生の11月に韓国、翌年1月にはタイへ交換留学に行かせていただいています。どこでも温かく受け入れてもらってきましたが、今回も8月に私をやさしく受け入れてくれたお礼を心を込めてしようと決めていました。

日本の食文化を体験してもらいたかったので、焼肉やたこ焼きパーティーを企画しました。NZではバーベキューが主流なため、屋内で焼肉を楽しむ文化は新鮮だったようです。たこ焼きもNZでは見かけない食べ物です。

ほかにも、太宰府天満宮を訪れたり、飯塚市内の商店街やマンガ倉庫(漫画販売店)を案内したりしました。アニメ好きな彼女にとって、日本のカルチャーに親しむ時間は大きな喜びだったようです。

彼女とは日常会話の中で家族やペットの話をすることが多く、親しい関係を築くことができました。日本語の授業を受けている彼女は、日本語をそこそこ話せるんです。ときに日本語を交えるなど、お互いに学びたい言語を実践的に話す時間もつくりながら、コミュニケーションを重ねていきました。

自ら積極的に話しかける姿勢が身についた

留学生と一緒にゲームセンターへ

今回の交換留学プログラムで、私自身は大きく変化したと思っています。「人を見た目で判断しない」考え方が身についたのと同時に、自ら積極的に話しかけることができるようになりました。

以前は、見ず知らずの相手とコミュニケーションをとる前から、第一印象で「この人はこういう人だろうな」と勝手に想像していたんです。

でも、NZで多くの人と出会う中で、話す前から偏見を持つのはやめて、まずは自分から積極的に話しかけることにしたんです。異文化の中にいると、自分の英語が通じるだろうかという不安もあり、自ら人に対してはたらきかけるのが苦手でした。でも、自分から行動しなければ何も始まらない環境に身を置いたことで、「自分から明るく話しかけることで道は拓く」という経験を通じて、人としてちょっと成長できたと感じています。

これまで3度の交換留学プログラムに参加して、異文化への理解を深めていく中で、コミュニケーション力が大きく向上したと感じています。バディとなった留学生だけでなく、その友人たちとも交流を深め、海外の友人が各地にいる状態です。現在も韓国やタイ、NZの友人たちとオンラインで連絡を取り合い、何気ない日常を共有しています。誕生日にもメッセージを送り合います。

私はもともと特進探究実践コースを志願していたんです。入試の面接で、英語にも興味があることを伝えたところ、「英語に興味があるならぜひグローバルコースも検討してみてください」と言っていただき、今に至ります。中学で英語を特別に学んだわけでも、英語力に自信があったわけでもないのですが、結果として、グローバルコースに入ってこういった経験をさせていただけて、本当にうれしいなと心から感じています。

飯塚高校のグローバル教育について

本校はグローバル教育に力を入れています。

ニュージーランド(ワイヌイオマタ高校、ランギオラハイスクール)のほか、韓国(釜山観光高校)、タイ(IBS)、中国(第十六中学校)、カナダ(ヴィクトリア高校)などに協定校を持ち、短期交換留学などの交流機会を持っています。

そのほか、アメリカ、ベトナムなどの多様な国々からも留学生を受け入れ、グローバル教育に関する幅広い機会を提供しています。

授業を含む日常はもちろん、体育祭や学園祭の海外協定校関連の演目などでも、国際交流を積極的に行い、GLI(※)全体の取り組みを通して、次世代を担う人材育成に努めています。

※Global(グローバル)・Local(地域)・Individual(個性)

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