DXハイスクール対象授業とDX教育構想【飯塚高校のデジタル教育】

DXハイスクールの対象授業と構想

飯塚高校は2024年4月末、文部科学省よりDXハイスクール(※)指定を受け、ICTを活用した多様な授業を実施しています。

(※)全国1,000校程度の高等学校をデジタル教育の拠点として、1校あたり1,000万円を上限にICTを活用した幅広い学びを推進するプログラム。情報や数学などのデジタル技術と理数分野の教科を重視している。

デジタルやAI(人工知能)技術が進化し続ける中、世界で活躍できる人材を育成していくには、早いうちからのデジタル教育は必須といえます。

本校でも高度な情報テクノロジーを最大限に活用し、情報や数学を中心に文理横断的・探究的な学びの機会を生徒たちに提供し、デジタル視点を持った人材の輩出に貢献します。

DXハイスクール対象授業

本校で実施開始・今後実施予定となるDXハイスクール対象授業を改めてご紹介します。

・N予備校との連携授業

5月より2年1組の「数学II」を対象に、N高等学校・S高等学校で使用されている学習アプリ「N予備校」を活用しつつ、人気講師・小倉悠司先生にリモート・リアルタイムで参加いただく授業を実施しています。

「教室での授業」と「有名講師のオンライン指導」を組み合わせ、生徒達のニーズにあった指導、将来的には教員不在時の自習対応に代わる活用、特別支援対象生徒が遠隔から参加できるハイブリッド授業など、多様な状況や生徒の事情に対応可能な授業スタイルの構築を目指しています。

今後は1〜3年生も含めた特進コースでの実施、授業時間外におけるN予備校のオンライン教材を利用した学習環境の提供なども予定しています。

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・フィジカル計測とデータ活用授業

健康スポーツコースを対象に、Jリーグクラブでも指導を行う藤野英明さん(サッカー部フィジカルコーディネーター)を講師として、プロレベルのフィジカルデータ計測・分析について実践的に学ぶ授業を実施しています。

本校系列の愛宕幼稚園、同幼稚園と幼保連携で共同活動をする立岩小学校・片島小学校でも、生徒たちが計測を実施予定です。計測方法を学びながら、自らのデータと比較して発達によるデータの出方の違いについても考えを深めていきます。

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・九州工業大学との連携授業

1年1組の「情報I」を対象に、九州工業大学情報工学部と連携して、情報Iの範囲を超えるデータ分析やシミュレーションなどの高度な手法も学びながら探究学習を行う特別授業(全6回程度)の実施を9月以降に予定しています。

本年度については、九工大のさまざまな専門分野で活躍する教授が各々のデータ活用や分析手法などについて講義をし、実際に学校内や身近にあるデータの分析を生徒たちが演習として行う形を想定しています。

その際、校内でのさまざまなデータを同意を得た上で取得し、題材として取り扱うことも検討しています。

本授業は2025年度に本校の一部クラス(2年1組の授業または選択授業を想定)の探究授業を九工大と連携し、データ分析への学びを深めるにあたり、試験的に実施するものです。

・その他の取り組み

AIを活用した授業や生徒向けのデジタルインフラ整備(福岡大学との連携授業、海外姉妹校オンライン交流、Wi-Fi設備拡充など)は本事業の一環としても継続していきます。

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将来的な構想

飯塚高校が2024年度のDXハイスクール事業を実施した先には、大きくふたつの構想があります。

1つは、教育活動を通じて蓄積される多様なデータを分析可能な形とし、教育活動に生かすことです。

さらに、研究機関と連携してさまざまな研究実践にも活用できるような仕組みを構築することを目指しています。

2つ目は、多様な授業方式の開発と導入です。リモート授業と対面事業のミックスや、本校に通えない生徒向けに授業を提供したりするなど、さまざまな可能性の開発を目指しています。

また、ITを用いた効率化を図ることで、学校の持つリソースを本校ならではの活動により多く割き、より良い教育環境づくりに引き続き力を入れてまいります。