「クリエイティブで実践的な学びを楽しむ生徒の様子を見るのがうれしい」(福岡大学 商学部 経営学科 准教授 飛田 努さん)

今年の秋も実施される飯塚高校の街なか学園祭。2024年の開催時にはとても大きな盛り上がりを見せました。学園祭の成功の裏には、支えてくださった多くの方々がいます。そんな心強い支援者の皆様へのインタビューを掲載していきます。
今回取り上げるのは、飯塚高校との連携協定のもと、2024年のトータルライセンスコースでアントレプレナーシップ教育プログラムを実施した福岡大学 飛田ゼミ。
ゼミ生が講師となり、街なか学園祭への出店を目標に、実社会とのつながりを実感できる授業を展開しました。同ゼミを指導する福岡大学 商学部 経営学科 准教授 飛田 努さんにお話を伺いました。
***
「福岡大学と飯塚高校は連携協定を締結していて、私のゼミ(飛田ゼミ)ではトータルライセンスコース・特進探究実践コースと連携授業を行っています。2024年のトータルライセンスコースの授業ではゼミ生が講師となって、街なか学園祭への出店を目標としたアントレプレナーシップ教育プログラムを実施しました。
授業で学ぶことは社会とつながっていることを実感してもらい、現在の学びは未来にとって意味のあるものだと思える——そうした授業を目指しています。
学校では試験で点数を取ることも大切ですが、社会に出たときに使える武器を身につけることも、それ以上に重要です。本来、学びとはクリエイティブなもの。せっかく学ぶなら、面白く楽しく、多様な経験を積む方が良いと考えています。その点で、授業やワークショップを通じて知識や考え方を身につけて学園祭で実践に移し、計画から実行、振り返りまで一連のサイクルを回していけるのは、とても有意義な経験になっているのではないでしょうか。
また、この取り組みのもうひとつの意義は、高校生が大学生と交流することで、将来の自分をより具体的にイメージできるようになる点にあると考えています。高校生は普段、学校の先生や親といった限られた大人としか接する機会がありません。しかし、学園祭の準備をする過程で大学生と関わることで、少し年上の先輩たちがどう思考し、どんな道を歩んでいるのかを間近で見ることができます。
連携授業はグループワークが中心となっているため、受け身になることなく、積極的に発言したり場を進行したりと、主体的に動いていく生徒もちらほら見られます。これまで見せたことのない活動的な姿勢を見せる生徒もおり、先生方が『あの子のあんな表情を見たのは初めて』と良い意味で驚いていることもあります。
まだ小規模な活動ではありますが、高校生が将来を考える上でとても価値のある機会となっていれば、これ以上の喜びはありません。学びを実社会と結びつける場として、今後もゼミ生とともに学園祭に協力していきたいと考えています」