「飯塚高校生徒のやわらかな発想力と行動力に刺激を受けた」(近畿大学 産業理工学部 建築・デザイン学科 3年 伊藤悠太さん)

今年の秋も実施される飯塚高校の街なか学園祭。2024年の開催時にはとても大きな盛り上がりを見せました。学園祭の成功の裏には、支えてくださった多くの方々がいます。そんな心強い支援者の皆様へのインタビューを掲載していきます。
ここでは、2022年から3年間、街なか学園祭の空間デザインに関わってきた近畿大学 小池ゼミに所属する産業理工学部建築・デザイン学科3年 伊藤悠太さんに登場いただきました。
*同ゼミを指導する産業理工学部 建築・デザイン学科 教授 小池 博さんのインタビューはこちら
高校生にとって「少し年上のお兄さん、お姉さん」といった立ち位置の大学生。一方で、専門的な学びを深めている立場でもあります。そんな大学生の視点から見た街なか学園祭や飯塚高校の生徒たちについて、お話を伺いました。
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ゼミ活動の一環として、2024年の街なか学園祭に関わりました。運営リーダーとして、ステージ側のウッドパネル設置と空き店舗の空間デザインの両方を見て、大学で得た知見を高校生に伝えながら、学園祭をつくりあげていく支援をしていました。
その過程で、高校生のやわらかな感性や斬新な発想に驚かされることが幾度もありました。僕たち大学生は建築を学んでいるため、設計や配置の視点から物事を考えがちですが、高校生はより自由な発想で提案をしてくれたからです。
例えば、壁の存在が空間を分断してしまうといった課題が出てきたとき、僕たちにとっては想定外で、どうしようかな……と思案していた中で、ある生徒がふと「壁に絵を描くのはどうですか?」とアイデアをシェアしてくれたんです。

自分の幼少期を思い返してみても、子どもたちは至るところに絵を描きたがります。いい発想だなと思い、商店街の方々にも協力していただき、壁一面に紙を貼って子どもたちが自由に絵を描けるスペースを設けました。専門的な視点だけでなく、自分の「枠」の外から、多角的な視点を持つことの重要性を感じる機会となりました。

地域密着型の学園祭は、地域の方々と深く関われる点で、他校ではなかなか見られない飯塚高校ならではの大きな強みだと感じています。彼らの行動力や地域とのつながり方も印象的でした。商店街の方々と自然に交流し、快く協力していただくなど、高いコミュニケーション力を発揮していました。
地域の方々と積極的にコミュニケーションを取り、その時々のニーズや重要なポイントを的確に捉えていくことで、街なか学園祭のクオリティはこれからもさらに上がっていくと思います。高校生と僕らのような大学生、そして地域の方々がより密にコラボレーションし、共に何かを生み出していく中で、より面白い展開になっていくのではないかと想像しています。
私たち大学生にとっても学びの場となり、地域にとっても活性化のきっかけとなるイベントです。2025年の街なか学園祭でも、より深い地域連携が生まれることを期待しています。