ベトナム派遣・日本でのホストファミリー経験で僕が得たもの【特進グローバルコース・今村謙太さん】

飯塚高校では生徒たちに、交換留学プログラムをはじめ、グローバルでのさまざまな活動機会を用意しています。今回は2024年度の「生徒アジア派遣研修事業(※)」で、ベトナムに派遣された2年2組(特進グローバルコース)の今村謙太さんに、初めて訪れたベトナムでの思い出や日本でホストファミリーを務めた経験を振り返ってもらいました。
※福岡県私学教育振興会が実施する、福岡県内の私立高校に在籍する生徒を対象として、国際理解教育の一環として海外(アジア)でのフィールドスタディを行うプログラム。実施団体である福岡県私学協会に対して、事業に要する経費の一部助成を行う助成事業
日頃の英語実践がベトナムで生きた
2024年8月から8日間、僕は「生徒アジア派遣研修事業(※)」に参加し、ベトナムに派遣される機会をいただきました。現地の学校生活やホームステイを経験し、文化の違いや言語の壁を越えて交流する貴重な時間を過ごしました。

最初の数日は、派遣された他校の日本人生徒たちとベトナムの歴史的建造物を中心に訪問したり、研修を受けたりしました。ベトナムの高校での授業に参加したのは、最終日に近いタイミングです。
ベトナムの生徒たちはとてもフレンドリーに、温かく迎えてくれたのを覚えています。教室に入ると、笑顔で話しかけてくれたり、ゲームに誘ってくれたりと、短期間ではありますが楽しい時間を過ごせました。

授業はベトナム語で行われましたが、現地でのコミュニケーションは基本的に英語でした。最初は緊張しましたが、飯塚高校で受けてきた英語の授業やグローバル教育プログラムIntensiveでの経験が役立ち、次第に自信を持って話せるようになりました。
普段からクラスメートと英語で話したり、オンラインで外国の方とやりとりしたりする機会も多く、その積み重ねも生かせたのではないかと思います。ベトナムの生徒たちの英語は聞き取りやすく、互いの国のことやアニメなどの文化的なテーマで日常会話をしながら交流を深めました。
現地では、フー君という僕のバディにあたる生徒のご家族が、ホストファミリーとして受け入れてくれました。ご両親含めて皆とても親切で、朝食を食べられるレストランやショッピングモールなど、いろいろな場所に連れて行ってくれました。初めて食べたベトナムの家庭料理はどれもびっくりするくらい美味しかったです。

ベトナム滞在中、印象的だったことのひとつは、交通量の多さと交通事情です。道路などのインフラや交通ルールが整備されている日本と比べると、ベトナムは未整備な部分が多いです。現地の人たちは通りを渡るとき、おびただしい量の車やバイクが走る中を、大勢で集まって抜けていくのが普通でした。日本では考えられない光景で、命がけじゃないか? と衝撃を受けましたね。
いろいろな国を知り、学びたい気持ちが高まった
10月には、今度は僕がホストファミリーとして、ベトナムでお世話になったフー君を迎えました。アニメ好きなフー君に楽しんでもらえるよう、マンガ倉庫というお店に案内したほか、ボウリングや福岡市への小旅行、温泉などの企画も用意していました。ベトナムに温泉施設はないらしく、フー君が文化の違いに驚いている様子が印象的でした。
ベトナム・日本の2ヶ国でプログラムを終えたあと、自分の変化に気づきました。僕はどちらかというと人見知りで、人と積極的に関わることが得意ではなかったんです。ベトナムでも初日は特に緊張していました。同行してくれていた担任の本先生から、リラックスして過ごそうと声をかけていただいたことで背中を押してもらい、翌日から積極的に動けるようになったんです。
それから異国での生活を徐々に楽しめるようになり、たくさんの人と交流する中で、初めて出会う人とコミュニケーションをとる面白さにふれることができました。この経験を通して、現地で動き回ることで得られる気づきや学びは大きいなとも感じました。また、今よりもっといろいろな国を知りたいし、学びたいという気持ちが強くなりました。

もともと僕が特進グローバルコースを志望した理由は、父の仕事の関係で海外に行く機会があり、英語に興味を持ったことがきっかけでした。英語を上達させたいだけでなく、異文化交流を深めたいという思いから選んだのですが、今回のような機会をいただくことができて、このコースにして本当に良かったと感じています。
今後もこのプログラムを通じて得た経験を生かし、より多くの人と交流し、視野を広げていきたいと思います。
飯塚高校のグローバル教育について
本校はグローバル教育に力を入れています。
ニュージーランド(ワイヌイオマタ高校、ランギオラハイスクール)のほか、韓国(釜山観光高校)、タイ(IBS)、中国(第十六中学校)、カナダ(ヴィクトリア高校)などに協定校を持ち、短期交換留学などの交流機会を持っています。
そのほか、ドイツやアメリカ、ベトナムなどの多様な国々からも留学生を受け入れ、グローバル教育に関する幅広い機会を提供しています。
授業を含む日常はもちろん、体育祭や学園祭の海外協定校関連の演目などでも、国際交流を積極的に行い、GLI(※)全体の取り組みを通して、次世代を担う人材育成に努めています。
※Global(グローバル)・Local(地域)・Individual(個性)