【合格者インタビュー】九州大学 数学部(3年次編入)宮下智広さん(特進I類)

山口大学 理学部 数理科学科に現役合格し、大学生活を送っていた宮下智広さん(特進I類、2023年3月卒業)。そんな中、2年生の夏、調べ物をしていたところ、偶然にも九州大学 理学部 数学科が3年次編入学の門戸を開いていることを知ります。
九大は高校時代の宮下さんにとって第一志望校でした。チャンスは一度きり。迷わず挑戦を決意し、定員5名という狭き門ながら、見事合格を勝ち取ることに。2025年4月から九大生となる宮下さんに、編入にまつわるエピソードや飯塚高校での日々についてお話を伺いました。
現役時代の第一志望だった九大への編入を実現
——この度は九大への3年次編入、おめでとうございます!
ありがとうございます!
——編入しようと決めて動き始めたきっかけは何だったのでしょうか?
数学を学ぶ中で「グラフ理論」に興味を持つようになりました。そして、九州大学においては、その分野を研究している教授がいることを知りました。今後、自分がグラフ理論を深く学びたいという気持ちもあり、再び九州大学に行きたいという想いが強くなりました。
加えて、九大では3年次編入学試験を実施していて、そのときは出願締め切り3日前でした。それまで、3年次編入は高専出身者向けの制度だと思っていましたが、九大の場合は他大学や他学部の学生にも受験資格があると分かり、迷わず挑戦を決意しました。
——定員の枠は5名と非常に限定されていました。どんな対策をして向き合いましたか?
出願から1ヶ月後くらいに試験がありましたが、公開されている過去問を解いた程度です。山口大学に入学してから、好きな数学をとことん学べる環境が幸せで、日々の学習を楽しんでいました。日頃のインプットやアウトプットがそのまま試験対策になり、無理なく対応できたのではないかと思っています。
「一番苦手」だった数学が、一番好きな科目に
——ここからは、飯塚高校時代のお話を伺っていきます。中学3年生のとき、飯塚高校を選んだ理由を教えてください。
進路指導の三者面談で、当時の担任から勧められたのがきっかけです。もともとは得意な英語に興味があり、英語科のある高校を候補として考えていました。
ですが、先生から「英語を専門的に学ぶのは大学でも間に合う」「飯塚高校は大学進学を目指す生徒を手厚くバックアップしてくれる」という話を聞き、進学を決めました。
——当初、飯塚高校は進学先の候補ではなく、たまたま紹介されて興味を持ったんですね。ここで気になるのが、中学までは英語が得意だった一方で、大学は数学の道に進んでいることです。飯塚高校に通う中で数学に魅せられた背景は何だったのでしょうか。
中学時代、一番苦手な科目が数学でした。英語だけが得意という感じで……(苦笑)。でも、当時の担任だった先生との出会いが大きな転機になりました。先生の論理的な指導に引き込まれて、数学の楽しさに目覚めたんです。
入学後およそ半年はコロナ禍の影響で、自宅学習期間が長かったのですが、登校して授業を受けるようになってから、先生のトークや教え方もあいまって「数学ってこんなに面白かったのか……!」と衝撃を受けました。
高校数学は私がこれまで嫌いだった「計算」ではなく、論理的思考を持って向き合う学問なんだと気づいたんですよね。
——その流れで、数学科という進路を自然と考え始めたんですね。授業以外で印象的だった先生方のサポートを教えてください。
「生徒に対してとても親身になってくれて、受験に向けたサポートを徹底的に行ってくれる」というのは、中学時代に聞いていた通りでした。
当時は、職員室が教室のすぐ隣にあり、空いた時間に先生に質問しにいくと、いつでも向き合ってもらえました。また、放課後には7・8時間目に相当する自習時間が設けられ、その後も先生が残っている場合は、質問対応や指導をしてくれていました。学びたい意欲の高い生徒が好きなだけ学習に取り組める環境が整っていたと思います。
生徒の「個性」や「好き」を応援する環境がある
——宮下さんが3年生の頃、飯塚高校の新たな教育方針「GLI」が掲げられました。GLIの中で、特に印象に残っている取り組みはありますか?
特に「Individual」面で、生徒一人ひとりの個性を磨くような教育をしていただけたと感じています。たとえば、私は「数学が好き」ということを常日頃から先生方に伝えていたんです。
そうすると、九大が主催していた高校生向けの数学講座など、私が興味のある学習機会を先生方からいろいろと紹介していただけました。普段の授業だけでなく、興味のある分野を深めるための機会や情報をこまめにシェアしてもらえたことが、とても印象的でした。
飯塚高校では、生徒が好きなことを発信すると、それを伸ばすためのサポートを積極的にしてくれる環境があります。先生方は生徒の意欲を尊重し、個性を生かせるよう応援してくれているなと感じました。
——そんな機会が積み重なり、学びがより楽しくなっていったのだろうなと感じさせられました。飯塚高校時代に得たことのうち、特に将来に生かせると思うことは何ですか?
積極的に学ぶ姿勢です。今でも忘れられないことがあります。進路指導において否定されることが一度もなかったんです。
難関大学に挑戦することに対して、不安や恐れを抱くこともありましたが、先生方は模試の結果に過度に言及せず、「宮下くんはこれから伸びるよ」と前向きな言葉で応援し続けてくれました。
そのおかげで、現状の成績にとらわれすぎず、安定したメンタルで「志望校合格のために今何をすべきか」に集中できたと感じています。
結果的に、現役では第一志望の九大には合格できませんでしたが、そこで折れることなく前を向き続けられたのは、常に勇気づけていただいたおかげで「自分なら大丈夫」と自信を持てたのが大きいと思います。
——素敵なエピソードですね! では最後に、飯塚高校ではどんな3年間を過ごせるのか、また飯塚高校で過ごすことの良さについて、飯塚高校に興味のある中学生の方にメッセージをお願いします。
飯塚高校の先生方は、がんばる生徒たちを全力で応援し、新しいことに挑戦できる環境を整えてくれます。生徒たちが主体的にチャレンジしていく空気感が、学校全体にできあがっているとも感じます。
私は「人が変わるには、本人の意思はもちろんですが、環境も最大の要因」だと考えています。高校進学を機に勉強をがんばりたい、何かに挑戦したい、難関大学を目指したいと思っている中学生には、ぜひ飯塚高校を選んでほしいです。
——素敵なお話をありがとうございました!
今後も合格者インタビューを不定期で掲載していきますので、どうぞお楽しみに。
※記事内容は取材当時(2025年3月10日)のものです。
宮下さんが所属していた特進コースは、令和5年度新入生から一新され、「特進アカデミックコース」「特進グローバルコース」「特進探究実践コース」の3コースが新設されています。
2年次以降、希望者は特進コース内でコース移動ができ、より自分に合った学びを深めていける点が特徴です。
いずれのコースも、生徒一人ひとりの主体的・探究的な学び、グローバルな人材育成を重視しています。さらに、各生徒がいきいきとした学校生活を送りながら、目標とする大学へ進学することも目指しています。
▶「特進コース」について詳しくはこちらを参照ください。