「駅伝を通じて、諦めない自分に出会えた」(健康スポーツコース 3年生 駅伝部 副主将 松尾翼)

駅伝部 副主将 松尾翼

全国大会に出場する実力を持つ部活動が数多くある飯塚高校。その中でも、今年で創部35年を迎える駅伝部は、長年にわたり実力を積み上げてきた伝統あるチームです。2024年夏、全国高校総体陸上(インターハイ)の5,000mに出場し、14位という成績を収めたのは、健康スポーツコース3年の松尾翼さん。27年ぶりに飯塚高校の新記録を樹立するなど、全国から注目を集める選手のひとりです。そんな松尾さんに、ここまでの成長の軌跡を振り返ってもらいました。

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中学時代は陸上部に所属し、800メートルを専門に取り組んでいました。最後の大会でようやく県大会に進出し、3位に入賞。そんな中で「もっと高いレベルで長距離に挑戦したい」と思うようになりました。

進学先を探していたとき、たまたま高校生と一緒に走る機会があり、その中で飯塚高校の選手たちが上位で活躍している姿を見ました。「この高校なら、自分ももっと強くなれるかもしれない」。そう感じたことが、入学を決める大きなきっかけになりました。

「今までの練習を思い出せ」が大きな力に

駅伝部 副主将 松尾翼

入部後にまず驚いたのは、練習の強度とチームの雰囲気の違いでした。最初はきつさに戸惑いましたが、徐々に心身ともに鍛えられていきました。特にメンタル面の成長は大きくて、諦めない心が自然と身についたと思います。

顧問の先生の「レースでは最初から後ろに行くんじゃなくて、先頭についていけ」という言葉は、僕の意識を大きく変えました。レースに限らず、日常の行動にも前向きな影響を与えてくれました。消極的だった自分が、積極性を持って物事に向き合えるようになっていったんです。

さらに、レース中に「今までの練習を思い出せ」と先生に声をかけられたことも印象に残っています。実際、レースよりも練習の方がきつい。そう思い出すだけで、闘志が湧いてくるのです。2年生のとき、北部九州大会で自分の実力以上の走りができ、初めてインターハイ出場を決めたときも、その言葉が力になりました。

全員で高め合える環境がある

駅伝部 副主将 松尾翼

駅伝部の「チームとしての成長」も感じています。今の学年が中心になってからは、練習の強度をさらに高め、それについていける体力とメンタルを全員で培ってきました。その積み重ねが、チームの力として実を結んできたのだと思います。

現在の練習は週6日。月曜から土曜までは、日によって内容を変えながら長距離をじっくり走る練習やスピード練習を行い、木曜日には整骨院でのケアを取り入れるなど、心身のメンテナンスにも力を入れています。学校の周囲には坂道が多く、脚力を強化するための環境も整っています。

駅伝の魅力は「チームで戦うこと」です。本番前には選手同士で「自分はこのタイムで走るから、お前も頼むぞ」と言い合い、襷を渡す瞬間には、言葉にせずとも「任せた」という気持ちが伝わる。そんな瞬間に、駅伝の深い魅力を感じます。

卒業後も大学で駅伝を続けていきたいと思っています。飯塚高校で得た経験と、自分の中に育った強い心を、次のステージでも生かしていきたいです。

※記事内容は取材当時(2025年6月)のものです。