「私たちだからつくれる音楽で、今年こそ全国の舞台へ」(特進探究実践コース 3年生 吹奏楽部 部長 平岡衣乃)

吹奏楽部 部長 平岡衣乃さん

全国大会出場を目指し、日々高いレベルで活動を続けている飯塚高校の部活動。2024年8月の「第69回九州吹奏楽コンクール」で金賞を受賞するなど、九州上位の実績を誇る吹奏楽部もそのひとつです。今回は、部長の平岡衣乃さんに、部の魅力や活動を通して得られた学びについて伺いました。

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中学生の頃、飯塚高校吹奏楽部の演奏会や合同練習に参加する機会があり、演奏する先輩方の姿に憧れの念を抱きました。とくに定期演奏会では、完成度の高い演奏とつくり込まれた世界観に圧倒され、「私もこの舞台に立ちたい」と強く思いました。それが、飯塚高校を志望した大きな理由のひとつです。

吹奏楽を始めたのは中学1年生のときでした。3年生では部長を務め「九州大会出場」という目標を掲げてチームをまとめ、銀賞を受賞。結果として、学校にとって6年ぶりの九州大会出場を果たすことができました。この経験は、高校でも吹奏楽を続けたいという気持ちを後押ししてくれました。

独自のメソッドで、確実に成長できる安心感

吹奏楽部 部長 平岡衣乃さん

高校に入ってからは、技術面でも精神面でも大きな成長を実感しています。入部当初は自分の未熟さを痛感する日々でしたが、顧問の先生方やプロの講師陣から指導を受けながら、少しずつ力をつけてきました。体系化された飯塚高校独自の練習メソッドがあり、それに沿って努力を重ねることで着実に上達できることを、これまでの練習を通して実感しています。

練習では「いかに質を高めるか」をみんなで常に意識して、練習の意味や目的を考えながら取り組み、密度の高い時間にしています。また、合奏中には顧問の先生から心構えや考え方についても教わることが多く、主体的に行動する力も自然と身についていきました。

活動の中で特に印象に残っているのは、毎年3月に行われる定期演奏会と、夏の九州吹奏楽コンクールです。定期演奏会は1年間の集大成として、演奏だけでなく演出にも力を入れています。私たちの部では、演奏に歌やダンスを取り入れることもあり、視覚的にも楽しんでいただける舞台を目指しています。質にも妥協せず、演奏・演出ともに高い完成度を追求しています。

吹奏楽の最大の魅力は、音楽を通して人とつながり、感情を共有できることだと思います。言葉がなくても、演奏を通して誰かを笑顔にしたり、心を動かしたりすることができる。その瞬間に、これまでの努力が報われたと感じます。

学内外での多様な演奏機会で、たくさんの感動を味わえる

吹奏楽部 部長 平岡衣乃さん

現在、部員は53名。全員が演奏メンバーとして舞台に立つことができるのも、飯塚高校吹奏楽部の特徴のひとつです。一人ひとりが大切な存在であり、それぞれが役割を持っているので、互いに支え合いながら日々練習に励んでいます。

ときどき「初心者でも入部できますか?」と聞かれることがありますが、毎回「もちろんです!」とお答えしています。音楽が好きという気持ちがあれば、安心して入部できる環境が整っています。未経験で入部し、活躍している部員は卒業生も含め、何人もいます。顧問の先生方や仲間のサポートが十分にあるので、不安なく成長していけます。

活動の場はコンクールだけではありません。地域のイベントや老人ホームでの訪問演奏、留学生の歓迎会など、学内外での演奏機会も豊富です。2023年には吹奏楽部として韓国に遠征したこともあります。飯塚から世界に飛び出して演奏するという、かけがえのない経験になりました。

2025年からは、地域の吹奏楽クラブチーム「イイヅカブラスアカデミー」で、私たち飯塚高校吹奏楽部の部員たちが毎週、子どもたちに指導をさせていただくようになりました。演奏するだけでなく、自分たちが教える役割を担いながら、この地域の吹奏楽の発展に関われることも喜びに感じています。

このように、人との出会いや地域・異文化との交流を通して、音楽の力を改めて感じる機会がたくさんあります。こうした多様な経験ができるのは、GLI(Global・Local・Individual)を教育目標として掲げて、地域・グローバルとのつながりを大切にする飯塚高校ならではの魅力だと感じています。

私たちの吹奏楽部は九州大会出場・受賞の常連校ではありますが、今年は「全国大会出場」という、より大きな目標を掲げて挑戦しています。飯塚高校にしかできない音楽を届け、多くの方に喜んでいただき、私たち自身も感動を味わうべく、これからも仲間とともに全力で取り組んでいきたいと思います。

※記事内容は取材当時(2025年6月)のものです。