生徒会会長×特進コース。LOCALでの挑戦+学業の両立がもたらした大きな成長【特進I類・大熊敦地さんインタビュー】
飯塚高校では、生徒たちに多彩な挑戦の機会を提供しており、生徒会活動もそのひとつです。10月7日には、生徒会任命式が行われ、新たに2年生の松岡結愛さんが生徒会長に選出され、これから生徒会を牽引していく役割を担います。
今回は、前生徒会長で特進I類3年生の大熊敦地さんにインタビューを実施しました。
特進コースでの学びと生徒会活動の両立をどのように実現してきたのか、そして飯塚高校が大事にするGLI(※)におけるLocalな活動が彼に与えた影響について聞きました。また、今後の進路に対する視野がどのように広がったのかなどを探ります。
※飯塚高校は、一人ひとり(INDIVIDUAL)の資質を開発し、時代(GLOBALな時代)と郷土(LOCAL)の要請に応える明朗で心豊かな人間を育成することを教育目標として掲げています。
地域に根ざした活動が、生徒たちの未来をどう形づくっていくのか。大熊さんの言葉を通して、その一端をお届けします。
地域を巻き込んだ“規格外野菜”活用プロジェクトに注力
——生徒会長としての1年間で、特に印象的なプロジェクトとその成果を教えてください。
規格外野菜を活用したメニューを販売する活動が、最も印象に残っています。このプロジェクトは、2年生の頃からプロジェクトチームのリーダーとして進めてきたこともあり、とても思い入れがあります。何より、この取り組みを持続可能な形にできたことが、一番の成果だと感じています。
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——飯塚高校HPのニュースでも取り上げた活動です。とても好評だったそうですね。詳しく教えてください。
この活動は、ソーシャル・アイ・キャンプの一環で、地元の商店街を活性化させるSDGsの取り組みを企画し、実行するのが目的でした。
まず、地元の方々にヒアリングを行ったところ、多くの農家さんが規格外野菜の廃棄量の多さに悩んでいることが分かりました。
そこで、規格外野菜の課題を解決しながら、商店街を活性化させるために、野菜を使った新商品を作り、空き店舗で販売するというアイデアを提案しました。
この取り組みがうまくいけば、食品ロスの削減と空き店舗の有効活用を通じて、商店街全体の活気を取り戻せると考えました。企画を進め、無事に販売まで至り、さらに複数回に渡って実践できたことは大きな達成感につながりました。
——地域の方々からも大きな反響があったと聞いています。具体的にはどのような声が寄せられましたか?
商店街で商品を販売していると、「この取り組み、高校生がやってるの?」と驚き、興味を持ってくれる方が多くいました。商品にも関心を示していただき、地元の農家さんやJAの方々ともつながることができ、今後の活動に向けて良い流れを作れたと思います。
また、献血活動の際には福岡市の方々からも興味を持っていただき、出店してみたらどうかと提案をいただくなど、想像以上の反響がありました。こうして活動を継続していく中で、多くの方々に関心を持ってもらえるという手応えを実感しています。
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生徒会会長の重責。リーダーとして大事にしてきたこと
——ここまで地域に根ざしたLOCALな活動について聞いてきましたが、次は学校内に向けた生徒会活動について伺います。立候補時に掲げた公約や、それに対する取り組みを教えてください。
立候補時の公約は「みんなが今まで以上に安心して、楽しく学校生活を送れる環境をつくる」というものでした。学校全体の雰囲気を良くし、誰もが過ごしやすい学校にしたいなと。
具体的には、生徒から要望の多かった校則、特に髪型に関するルールの見直しに取り組みました。任期中に大きな変更までは実現できなかったのですが、街の方々にも協力をお願いし、アンケートを実施するなど、次期生徒会に引き継ぐことのできるデータを集めることができました。
この取り組みが、今後の生徒会活動にとって大切な一歩になると信じていますし、自分がそのための架け橋を作れたこととを誇りに思っています。
——生徒主体で校則を今の時代に合ったものへと変えていく、その土台づくりに貢献したのですね。ところで、生徒会には20人を超える多様なメンバーがいます。リーダーとして、良いチームワークを実現するために心がけたことは何ですか?
特に以下の3つを大切にしていました。
役割分担:各メンバーの得意分野に合わせて仕事を任せ、活動の効率を高める
熱意の共有:全員が同じ熱量で活動に取り組める環境をつくる
否定しない姿勢:否定的な言葉を使わないようにし、相手の意見を最初から否定しない
活動を進める中で、各メンバーの得意不得意が自然と見えてきます。たとえば、人と話すのが得意なメンバーもいれば、裏方の作業を得意とする人もいます。それぞれの強みを最大限に生かすため、役割分担には特に気を配りました。
また、自分が直接関わらない場面でも、できる限りメンバーの仕事ぶりを把握するよう努めました。そうすることで、誰がどの部分で力を発揮できるかを見極め、適切な采配をすることができたと思います。
学業との両立は簡単ではない。でも、得るものは大きい
——大熊さんは特進コース所属です。勉学と生徒会会長としての活動の両立は、入試を意識する3年生になってからは特に厳しかったのではないでしょうか。その困難とどのように向き合ってきましたか?
3年生になると、進路をより具体的に考える必要もあり、どうしても勉強に集中する時間が増えました。進路と生徒会活動の両立は本当に大変でしたが、こうした経験が将来にも必ず生かせると信じ、モチベーションを立て直しました。
自分が率先して意欲的に活動する姿を示すことで、他の役員にもその想いが伝わり、週に一度の定例会への参加率や活動もより良い方向に進んでいきました。
自分の在り方や行動が周りに影響を与えることを改めて実感しましたし、内省する時間を取りながら自分と向き合うことができたのも、とても貴重な経験だったと感じています。
——生徒会長としての活動を通じて、どのような成長を感じましたか?
将来の夢を見据えて、リーダーシップや人前での発言力といったスキルを身につけたいと思い、生徒会に入ったのが始まりでした。
その中で、地域の方々など初対面の人と接する機会が増え、自分の意思を伝える力が必要とされる場面が多くなりました。この経験を通じて、どのような状況でも物怖じせず、自分の考えを伝える力を身につけることができたと思います。
生徒会長としての活動を通じて培ったコミュニケーション能力や柔軟性は、将来的にも必要な力だと考えています。この経験が自分の成長の大きな一歩となったと感じています。
飯塚高校×生徒会だからこそ、できること
——最後に、後任の生徒会長や生徒会メンバー、中学生や保護者の読者様に向けて、アドバイスやエールをお願いします。
まず、生徒会の後輩たちには、自分の意思で生徒会に入ったからには、最後まで責任感を持ってやり遂げてほしいと思っています。その姿勢は確実に、自分自身を成長させます。
これから飯塚高校に入学する中学生や、どの部活に入ろうか、生徒会に入るべきか迷っている方たちには「生徒会に入れば成長のチャンスがたくさんある」と伝えたいです。
生徒会でしかできない特別な経験を通じて、大きな成長を実感できると思います。もちろん、学業との両立は簡単ではありませんが、その中で得た経験は、将来に役立つ貴重な知見になります。
無理をしすぎず、自分のペースでがんばりながら、活動に楽しく取り組んでほしいです。生徒会での経験は、将来の自分にとって大きなプラスになり、自分自身の可能性を広げるきっかけにもなると信じています。
さらに、これは飯塚高校ならではだと思いますが、この学校では他校では経験できないような、特別な体験がたくさんできます。
他校の友人たちに話すと、『そんなこと、うちの学校じゃやってないよ! すごいね!』と驚かれるような活動が豊富にあり、これが自分にとって大きな財産になっています。
こうした経験は、大学進学の際の総合型選抜などでも強みになりますし、社会に出たときにも必ず生きる力になると思います。その意味で、飯塚高校を選び、さらに生徒会に入って活動できたことは、本当に良い選択だったと実感しています。
——ワクワクするお話を聞けました。ありがとうございました!
(終)
飯塚高校では今後もさまざまな取り組みを通じて、生徒たちが実践的で多様な知見を得られるような機会を作ってまいります。
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