MITコラボ授業スタート。英語×テクノロジー×デザインで課題解決力を磨くきっかけに【特進コース】

飯塚高校では6月23日(月)、IE(Integrated English)を受講する特進アカデミックコース、特進グローバルコースの1年生を対象に「MIT(マサチューセッツ工科大学)コラボ授業(以下、MITコラボ授業)」第1回目を行いました。
本授業はマサチューセッツ工科大学(MIT)の研究をベースに設立された教育機関「EnCube Labs」が開発した教育プログラム「Zero2Maker」のテキストをもとに構成し、全4回にわたって実施します。
初回から4回目まで、本校での福大連携授業や街なか学園祭などで尽力いただいている福岡大学 商学部 飛田努 准教授やそのゼミ生、さらに福岡県出身で米国ミネルバ大学に留学中の入江さんなどを迎えて毎週一度行う特別な授業です。
英語力と表現力、課題解決能力を高める機会
本授業は、飛田 准教授にEnCube Labsとの橋渡しをしていただき、実現しました。EnCube Labs設立者で、元MIT客員研究者のラジェッシュ・ナイルさん、共同代表の白川寧々さんには5月19日(月)、本校にて特別授業「誰でもできるアントレプレナーシップとグローバル世界で自由に生きる方法」を実施していただいています。

初回となる今回は、3D CADアプリ「TinkerCad」を使った3D Objects with 2D partsの制作に取り組みました。CADの操作が初めての生徒が大半であり、戸惑いながらも、英語での指示を聞き取り、手を動かしてデザインを完成させる姿が印象的でした。
なお、今回は福津市で子どもたちにSTEM教育を展開する、J-Start社のメンバー2名も見学に来て、生徒たちのサポートに入っていただきました。
福岡県福津市にあるプロのエンジニアが教えるロボット・プログラミング教室「J-SPACE」メンバーの一員であり、授業とのテーマの親和性からお力を貸していただくことに。
本授業の魅力は、「英語×テクノロジー×デザイン」という今後ますます求められる表現力、課題解決能力を実体験として学べる点にあります。次回以降は、プログラミングやUXデザイン、そして最終回のプレゼンテーションへと続いていきます。
生徒たちは今後も、最新の技術や思考法に触れながら、ALL ENGLISHでの授業に挑戦していきます。
生徒たちの感想は

本授業に関して生徒たちにアンケートを実施しました。まず、授業全体についての意見として、ポジティブなものが多く見られました。
「とにかく楽しかったです! アクティブな授業だったので、教科書を開いて静かに英語を勉強するよりも英語を楽しく学べました」
「飛田先生や入江先生の英語がとても流暢でかっこいいと思いました。飛田ゼミの学生さんたちもわからないところがあったら一緒にやってくれたり、細かく教えてくれたりしてとても楽しかったです」
「今まで密には聞いてこなかった英語や普段手をつけない3Dプリンターなどが新鮮で、ワクワワしました」
「とても楽しかったです。学校でものづくりをする機会があまりないので幸せを感じました」
ALL ENGLISHの「生きた英語を浴びる」環境を目指して

一方で、「うまくいかなかったと感じたこと」についてはこんな声が挙がっています。
「先生たちが英語で話しているときに理解が追いつかず、英語だけで話の内容を理解することができませんでした。日本語訳をしてもらえるのを待ってしまうこともありました」
「先生たちの話す英語が今まで聞いていたよりも早いので、英語の区切りを見失いやすかったです。リスニング力をもっと鍛えたいなと思いました」
「英語を書いたり聞いたりするのは得意ですが、話すことは難しくて苦手です。なので、授業についていけるかが不安がありました」
今回のコラボ授業は、ALL ENGLISHでの実施を目指して進められていますが、初回は生徒にとって初めて触れるCADアプリを使用し、3Dデザインに挑戦するという内容だったため、操作の難しさもあり、すべてを英語で行うことは難しい部分もありました。
また、長文かつスピードの速い英語に十分に慣れていない生徒もいるため、話者が聞き取りやすいスピードを意識し、専門用語は既知の表現に言い換えるなど、授業の方法を工夫しながらさらに内容を進化させていく予定です。
「英語を積極的に話す場として活用したい」生徒が多数

最後に「残り3回のコラボ授業で頑張りたいこと・やりたいこと」については、こんな声が聞かれました。
「生徒も積極的に英語が使えたらもっと良くなりそうだと思いました」
「私たち自身が、もっと英語を使う」
「生徒同士で話すときも英語にしたら面白そうだなと思いました」
「先生がたくさん来てくださっているので、英語を積極的に使いながら、もっとコミュニケーションをとっていきたい」
せっかくの機会だからこそ、英語を聞き取って手を動かすだけでなく、より主体的に英語を話しながら授業に参加したい、という生徒が目立ちました。
次回は6月30日(月)の実施となります。1回目の振り返りを生かし、より良い授業になるよう、担当教員一同ブラッシュアップを図っている最中です。
生きた学びを提供する、DXハイスクール対象授業のひとつ
この取り組みは、本校で実施中のDXハイスクール対象授業のひとつです。本校は令和7年度、全国1,191のDXハイスクール採択校のうち、20校のみが指定を受けている「重点類型:グローバル型」に選出されています。
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デジタルやAI(人工知能)技術が進化し続ける中、世界で活躍できる人材を育成していくには、早いうちからのデジタル教育は必須といえます。
本授業のように、高度な情報テクノロジーを最大限に活用し、情報や数学を中心に文理横断的・探究的な学びの機会を生徒たちに提供し、デジタル視点を持った人材の輩出に、これからも貢献していきます。