「伝えようとする気持ち」をいつも持っておくことの大切さを学んだ。1年生で叶えた韓国交換留学【特進グローバルコース・小林由奈さん】

飯塚高校では世界5カ国・9校の協定校と提携し、交換留学のチャンスを提供しています。入学して間もない1年生も手を挙げることができ、条件を満たせば費用は主に往復の航空券代のみ。安心して挑戦できるサポート体制が整っています。
今回お話を伺ったのは、韓国・釜山観光高校に留学した特進グローバルコース1年生の小林由奈さん。中学時代に先輩から「飯塚高校では1年生から留学できる」と聞き、その言葉をきっかけに挑戦を決意しました。
現地では言葉の壁を越え、異文化の中でたくさんの学びと成長を得たといいます。帰国後は、釜山観光高校からの留学生を受け入れるホストファミリーとしても活躍。初めての交換留学で得た経験や、現地で感じた気づき、成長について語ってもらいました。
(本インタビューは留学後に実施しています)
「行ってみたい」が現実に。1年生で留学のチャンスを掴んだ

――留学が決まったとき、どんな気持ちでしたか?
決まった瞬間は、本当にうれしかったです。ずっと「行ってみたい」と思っていたので、ようやく夢が叶うんだという実感がわきました。
ただ、交換留学ということで、まずは両親への説明が必要でした。もともと私が海外に興味を持っていること、そして「留学をしたくて飯塚高校を選んだ」ことを両親も理解してくれていたので、話はスムーズに進みました。
受け入れ(ホストファミリー)の話をしたときは、少し心配もあったようですが、最終的には「挑戦したい気持ちを大切にしなさい」と背中を押してくれました。
――ワクワクする気持ちが大きい一方で、不安に感じていたことはありますか?
一番の不安は、やはり言葉でした。釜山観光高校の授業では韓国語・英語・日本語の3つの言語が使われています。英語はある程度理解できても、韓国語はまだ勉強を始めたばかりで、聞き取れないことや言いたいことが伝わらない場面もあるかもしれない。そんな心配はありました。
現地の生徒の中には、韓国語だけ話せる子、日本語や英語も話せる子など、人によって使える言葉が違うんです。だからこそ、相手に合わせて言葉を選んだり、伝わるように工夫したりする必要がありました。
最初は戸惑うこともありましたが、「なんとかコミュニケーションをとりたい!」という思いが原動力になったからこそ、意思の疎通ができたのだと思います。完璧な言葉は出てこなくても、伝えようとする姿勢があれば届く。そんな実感を得たのはいい経験です。
――どうやって韓国語を勉強して、どれくらい話せるようになったのですか?
日常でよく使うフレーズを調べて、発音を真似しながら少しずつ覚えていきました。ひとりで行動するときにも困らない、簡単なやりとりができるくらいまでは頑張りました。「せっかく現地で過ごすなら、その間少しでも自分の言葉で伝えたい」という思いが、語学学習のモチベーションになっていたと感じます。
挑戦がくれた自信。見つけた自分の可能性

――ここからは留学後のお話を聞いていきます。現地で印象的だったことを教えてください。
韓国の高校生に対し、おしゃれで華やかというイメージを持っていました。でも、私が留学した釜山観光高校では校則がしっかりしていて、思っていたよりも日本の高校に近い印象でした。髪型や服装にも細かいルールがあり、「韓国の高校はもっと自由なのかな」と想像していたので、そこは少し意外でした。
授業のスタイルにも違いがありました。日本ではタブレットを日常的に使いますが、釜山観光高校では授業以外の場面で使うことはほとんどありません。1人1台のタブレットを持ってはいるものの、先生に指示されたときにしか使わないそうです。デジタル化が進んでいる日本の高校と比べて、学びのスタイルに違いがあることを実感しました。
――学校生活で印象に残っていることは?

一番印象に残っているのは給食です。その中で韓国料理が出されたのは1日だけでした。そのほかの日はベトナム料理や日本料理など、いろいろな国のメニューを楽しめました。多様な食文化に触れる機会を大切にしているのか、素敵な取り組みだと思いました。
――特に印象に残っている授業についても教えてください。
釜山観光高校には、観光科や調理科などの専門コースがあり、将来の進路に合わせた授業を選ぶことができます。
調理科では韓国料理はもちろん、日本料理やパン、お菓子など、世界各国の料理に挑戦できます。観光科ではホテルスタッフやバリスタ、バーテンダー、ウエイターなど、多様なサービス業を体験できます。
なかでも心に残ったのはバリスタ体験です。家族がコーヒー好きなこともあり、学んだことを家で実践してみたらとても喜んでもらえました。自分の技術で誰かを笑顔にできるのは素敵だなと感じて、興味深い職業のひとつになりました。
――現地の友達とはどうやって仲良くなりましたか? また、今も交流が続いていますか?
バディの子と親しい生徒を中心に仲良くなっていきました。バディと私は違うクラスの授業に参加する機会もあり、そのときは現地の生徒から話しかけてくれて、そこから自然に会話が弾んでいきました。
留学中にインスタグラムを交換して、帰国後もメッセージでやり取りを続けています。やり取りは主に韓国語ですが、文章を自分で考えて翻訳アプリにかけ、いくつかのアプリを使ってネイティブにとって自然な言い回しに整えています。
言葉が完璧でなくても、話したいという気持ちは伝わるんだと感じました。そうやって一つひとつのやり取りを重ねていくうちに、国を越えた友情が生まれたように思います。

――現地で成長を感じたことはありますか?
環境のおかげで、コミュニケーション能力が向上したと感じています。というのも、現地では頼れる人がいないからこそ、自分から動かないと何も始まりません。
たとえばひとりで買い物に行ったとき、価格が分からないときの尋ね方や支払いの方法など、日本とは違うルールが多く、分からないこともあります。そんなときに店員さんや周りの人などに勇気を出して話しかけてみると、みんな親切に対応してくれました。
「話してみたら、意外と大丈夫なんだ」と感じてからは、どんどん自分から声をかけられるようになりました。最初は緊張しましたが、笑顔で受け入れてもらえる経験を重ねるうちに、初めての人と関わることへの緊張がなくなっていきました。
「伝えようとする気持ちを常に持っておくこと」の大切さを、実体験を伴って学べたと思います。

世界とつながる喜びが、次の「行きたい」を運んでくる

――続いては日本での受け入れのお話を聞いていきます。バディを受け入れるときに心がけたことを教えてください。
自分が韓国でホームステイをしたとき、バディのご家族に気を使ってしまう場面が多くありました。もちろん、人の家で生活させていただく以上、ある程度の気づかいは自然なことです。バディのご家族も私にとても優しくしてくださり、そのことには今でも感謝しています。
だからこそ、受け入れる側になったときは「バディができるだけのびのびと、自由に過ごせるようにしてあげたい」と思いました。日本や飯塚での時間を思いきり楽しんで、いい思い出を持って帰ってもらえるように、できる限りの準備をしました。
具体的には、あとで迷うことがないように、家の中の使い方やルールを事前に丁寧に伝えるようにしました。また「使いたいものがあれば遠慮なく使ってね」と声をかけ、不便を感じさせないよう心がけました。

――バディには思いやりが伝わったのではないでしょうか。滞在中はどんなところへ行き、どんな過ごし方をしましたか?

滞在中はできるだけ日本の文化や日常を楽しんでもらえるように、いろいろな場所へ出かけました。学校の行事では北九州ツアーがあり、週末には日本の友達も一緒に天神(福岡市内)へ遊びに行きました。
また、宮地嶽神社にも参拝しました。バディの好きなアーティストの聖地として知られる場所だったので、きっと喜んでくれると思って計画したんです。実際にとても喜んでくれて、プランニングした私自身もうれしい気持ちになりました。
平日は学校があるため遠出はできませんでしたが、帰宅後は一緒に映画を観たり、お菓子を買いに出かけたりしました。ある日には友達の家でお菓子パーティーを開き、言語の壁を越えて笑い合った時間は、今でも心に残っています。
――今後はどんな挑戦を考えていますか? 次に行きたい国があれば、それについても教えてください。
もっといろいろな国の文化を体験することです。そのためにも、今まで以上に語学の勉強を頑張りたいと思っています。
次に行ってみたい国はタイです。これまで留学を経験した先輩たちから、日本と同じようにおもてなしの心が根付いていて、現地の人がとても親切に接してくれると聞き、興味を持ちました。
そうした温かい文化に実際に触れてみたいと思いました。韓国で得た自信を糧に、今度は新しい国でさらに成長できたらいいなと思っています。
――留学に興味のある、未来の後輩たちへメッセージをお願いします。
飯塚高校は、海外留学に挑戦したい人に心からおすすめできる学校です。私自身ももともと留学に興味があり、先輩が韓国に行った話を聞いたことがきっかけで、飯塚高校への進学を決めました。「安全に行けて、本当に楽しかった」と聞いて、ここなら安心して挑戦できると思ったんです。
経験してみて感じたのは、学校側のサポートがとても手厚いことです。初めての留学でも、先生方が準備を丁寧にサポートしてくださったので、不安なく挑戦することができました。金銭面でも必要なのは主に渡航費だけ。親にとっても負担が少なく、家族が応援してくれやすい制度だと思います。
「留学って難しそう」「自分にはまだ早いかも」と思っている人も、飯塚高校なら大丈夫です。1年生からでも挑戦できるチャンスがあり、一歩を踏み出すことで確実に世界が広がります。迷っているなら、ぜひ勇気を出してチャレンジしてみてください。きっと新しい自分に出会えるはずです。
――お話をありがとうございました!
※記事内容は取材当時(2025年10月)のものです。
※留学中の写真は小林さんよりご提供いただきました。集合写真2枚は学校で撮影したものです。
飯塚高校のグローバル教育について
本校はグローバル教育に力を入れています。
ニュージーランド(ワイヌイオマタ高校、ランギオラハイスクール)のほか、韓国(釜山観光高校)、タイ(IBS)、中国(第十六中学校)、カナダ(ヴィクトリア高校)などに協定校を持ち、短期交換留学などの交流機会を持っています。
そのほか、アメリカ、ベトナムなどの多様な国々からも留学生を受け入れ、グローバル教育に関する幅広い機会を提供しています。
授業を含む日常はもちろん、体育祭や学園祭の海外協定校関連の演目などでも、国際交流を積極的に行い、GLI(※)全体の取り組みを通して、次世代を担う人材育成に努めています。
※Global(グローバル)・Local(地域)・Individual(個性)

