就職指導の取り組み
高校卒業後は、社会で活躍したい——。本校では、そうした生徒一人ひとりの希望を実現するため、学校・企業・生徒の三者の信頼関係を基盤にした就職支援体制を整えています。
年間約2,000件の求人が寄せられる環境のもと、学校紹介(学校推薦)による就職内定率は100%。西日本シティ銀行、日本郵便、JR九州、トヨタ自動車九州、アイリスオーヤマといった企業をはじめ、製造・販売・飲食・サービス・金融・IT・建設・物流・医療福祉など幅広い業種への就職実績があります。
知名度の高い企業に限らず、地域や産業を支える堅実な企業への就職も多く、生徒一人ひとりに合った選択肢を提供しています。
2年生後半から始まる段階的な準備と実体験型キャリア教育
就職を希望する生徒への本格的な指導は2年生の後半からスタートします。1月頃に進路希望調査を実施し、進学か就職かの方向性を確認。
3月の大規模進路ガイダンス(1・2年生対象、飯塚市総合体育館にて開催)では、大学・専門学校だけでなく企業ブースも訪問必須とし、「働く」ことへの意識づけを行います。進学希望の生徒も企業ブースを回ることで、卒業後の社会との接点を早期に持てる設計としています。
3年生になると、5月下旬〜6月から志望理由書・履歴書の書き方レクチャーを開始。2025年度からは進学指導と連動してさらに前倒しし、余裕を持った準備期間を確保しています。
年間約2,000件の求人票と法令に基づく就職活動スケジュール
高校生の就職活動は、法令に基づく統一のスケジュールで進みます。
【7月1日】
求人票解禁・公開。届いた求人票は「Handy進路指導室」(高校生向け求人票管理システム)に順次登録し、生徒がiPadからいつでもどこでも閲覧できる環境を整備しています。業種・給与・勤務地などの条件で検索・絞り込みが可能です。
【7月下旬〜8月上旬】
3年生の三者面談を実施。ここで志望企業の方向性を確定します。
【8月下旬】
校内選考会議を行い、校長の決裁を得て推薦書を作成。担任は就職用調査書を、生徒は履歴書を準備します。
【9月5日】
応募書類の提出(学校から企業への書類送付)。
【9月16日以降】
選考開始。早い生徒は9月下旬に内定を獲得します。
高校生の就職は一人一社制のため、結果が出てから次の企業に応募する仕組みです。不合格の場合は10月以降に次の志望先へ移行します。企業の人手不足を背景に、3月中旬まで採用活動を継続する企業もあり、年度末まで粘り強くサポートを続けます。
一人ひとりに合った企業選びと応募前職場見学
「自分が何をしたいかわからない」という生徒には、優先順位を明確にする指導を行います。職種・給与・休日・勤務地の4つの観点で順位をつけさせ、それに合った求人票を7〜8件程度提示。条件に合う企業を絞り込んだうえで、応募前職場見学への参加を強く推奨しています。
応募前職場見学は、高校生の就職ならではの制度です。実際に職場を訪問し、自分の目で仕事内容や雰囲気を知ることができます。複数の企業を比較することも可能で、交通費を支給する企業がほとんどです。
近年は保護者同伴での見学を受け入れる企業も増えており、家庭での進路相談に役立てることができます。見学に参加したからといって必ず応募する必要はなく、納得いくまで比較検討できる環境を大切にしています。
条件面のマッチングに加え、生徒の個性や適性を踏まえた企業選びも大切にしています。就職指導担当が日頃から築いている企業との信頼関係を生かし、生徒の得意なことや苦手なことも率直に伝えたうえで、企業の風土や職場の雰囲気と擦り合わせる——。こうした「人と人のつながり」を軸にしたマッチングが、入社後の定着にもつながっています。
面接・SPI・グループディスカッションに対応する選考対策
面接指導は、まず担任が中心となって実施します。入室の仕方・挨拶・基本動作など、社会人としての基礎を学校全体で統一した基準をもとに指導。その後、進路指導部がチェックを行い、基準のブレがない体制を整えています。
高校生の就職面接は、法令により質問内容に制約があり、「志望動機」「高校で頑張ったこと」「入社後にやりたいこと」が中心となります。こうした限られた質問のなかで自分の言葉で語る力を養うため、暗記に頼らず、回答に対する深掘り質問を繰り返す実践的な練習を行っています。
近年は、SPIなどの筆記試験やグループディスカッション(GD)を導入する企業も増加傾向にあります。GD対策では、役割分担・時間管理・合意形成・プレゼンテーション能力を養います。OBや企業人事からの具体的な選考情報を収集し、企業別の対策に反映しています。
卒業生の活躍が次の求人を呼ぶ——三者の信頼が支える就職実績
本校の就職支援の強みは、学校と企業の長年にわたる信頼関係にあります。進路指導担当教員が企業訪問・説明会などに積極的に参加し、企業とのつながりを開拓しています。学校に直接足を運んで求人票を届けてくれる企業を大切にしながら、従来の製造業中心の求人から、販売・飲食・サービス・金融・ITへと職域を広げてきました。
学校指定求人(企業が「飯塚高校から○名」と指定する枠)も多く、応募者が枠数を超えた場合は成績・出席状況をもとに校内選考を実施します。令和8年度からは欠席日数の上限基準が撤廃され、より多くの生徒が希望する企業に挑戦できるようになりました。
そして何より、卒業生が就職先で活躍し続けていることが、次年度以降の求人枠の維持・拡大につながっています。たとえば、大手企業の法人営業職で全国一名枠を勝ち取り、トップクラスの成果を上げる人もおり、後輩たちにとって良い刺激となっています。
なかには企業の採用担当として母校の就職説明会に来校する卒業生もおり、在校生にとって身近なロールモデルとなっています。卒業生の活躍が、学校への信頼を高め、新たな求人を呼び込む好循環を生み出しています。
保護者の方へ——高校生の就職の仕組み
高校生の就職は、すべて学校を通じて行われます。企業と生徒が個別にやりとりすることは基本的になく、学校が間に入って推薦・応募・連絡を担う仕組みです。この「学校紹介(学校推薦)」の制度により、生徒は手厚いサポートを受けながら就職活動を進めることができます。
三者面談では、保護者と生徒の希望がずれるケースも少なくありません。保護者の方は知名度のある企業(BtoC企業)を望む傾向がある一方、生徒本人は職場見学での実体験や希望する職種を重視します。BtoB企業のなかにも待遇・安定性に優れた優良企業は数多くあります。
本校では、最終的な進路決定の主体は生徒本人であるという姿勢を大切にしつつ、企業の内容について保護者の方への説明も丁寧に行います。保護者同伴の職場見学も活用しながら、ご家庭と一緒に最善の選択を支えます。
就職実績(令和7年度)

