「留学生と日本人生徒が互いに高め合う学びの場」(飯塚高校 留学生担当・日本語教員 大浦さとみ)

飯塚高校ではグローバルな学びを大切にし、多様な文化に触れる機会を創出しています。充実した交換留学プログラムがその筆頭ですが、中国の協定校から長期留学生を受け入れるほか、国際入試を通じてフィリピンやネパール、中国など、さまざまな国の生徒たちを迎え入れています。
彼らは特進グローバルコースに所属して学びながら、日本人生徒たちと自然な交流を重ね、互いに刺激を与え合う関係を築いています。
異なる文化背景を持つ仲間と日常をともにすることで、日本人生徒たちにも視野の広がりや語学力の向上、異文化への柔軟な理解が育まれています。
今回のインタビューでは、留学生たちを支える大浦さとみ先生に、受け入れの取り組みや、生徒同士のコラボレーションが生む成長についてお話を伺いました。
大浦先生は、2022年より本校に着任し、信男教育学園や大連第十六中学校等からの長期留学生、国際入試で入学した生徒の支援を担当しています。
日本語教師としてのキャリアをスタートさせた際に中国へ渡り、通算6年間の滞在経験を通じて中国語や現地の文化を習得。現在は、必要に応じて中国語や英語を交えながら、生徒やその保護者ときめ細かなコミュニケーションを行っています。
***
「飯塚高校では、協定校から長期留学生を毎年数名受け入れています。彼らは渡日前に日本語や日本文化を学習し、一定の読み書きや会話力を身に付けた状態で入学してきます。特進コースに所属し、日本の大学進学を目指して日々努力しています。初めての異国でのひとり暮らしとなるため、学校では生活面のサポートを中心に成長を支えています。
また、フィリピンやネパール、中国などから、国際入試(※)を経て入学する生徒も毎年数名います。日本に来て1年未満の生徒も多く、日本語力には個人差がありますが、原則として特進グローバルコースに所属し、生徒のレベルに応じて日本語指導も行っています。最初は苦労もありますが、3年間で日常会話に困らないレベルまで力を伸ばし、卒業後は大学進学を目指す生徒も少なくありません。
異なる文化背景を持つ彼らがクラスにいることで、日本人生徒たちも自然と視野を広げ、違いを受け入れる柔軟な感覚を育んでいる印象です。英語力の高いフィリピンやネパール出身の生徒たちからは発音や会話面で良い刺激を受け、留学生たちとの交流をきっかけに英語や中国語に興味を持つ生徒も見られるようになりました。
体育や音楽など、コースを越えた科目でも交流が生まれ、互いに刺激し合いながら成長している様子をうれしく感じています。今後も、さらに良い体制づくりを目指して取り組んでいきたいと考えています」
※ 受験条件は原則として、日本に入国後2年以内等