「全国の舞台でも、地域でも。誰かの力になれるダンスをこれからも届けたい」(特進探究実践コース 3年生 ダンス部 部長 中村結希乃)

ダンス部 部長 中村結希乃

全国大会に出場する実力を持つ部活動が数多くある飯塚高校。ダンス部もそのひとつで、少人数ながら高いレベルの演技を追求し、2024年11月の「ALL JAPAN CHEER CHAMPIONSHIP 2024 全国大会」では高校生編成 small pom 部門で第3位、2025年3月の「USA nationals 2025」でも同部門で第6位に入賞するなど、確かな実績を残しています。今回は、ダンス部の部長・中村結希乃さんに、部の魅力や活動の意義について伺いました。

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私がダンスを始めたのは3歳のときです。地元・岡山県にある環太平洋大学のアカデミーに通い、小中学生の頃はチアダンスやテーマパークダンス、ジャズダンスなど、さまざまなジャンルを学んできました。

高校では、競技としてのチアダンスに本気で取り組みたいという思いが強くなり、進学先を探すなかで出会ったのが飯塚高校でした。チアダンスに力を入れていること、そしてオープンキャンパスで見た先生や先輩方の明るく楽しそうな姿に心を動かされ、「ここでがんばりたい」と入学を決意しました。

初心者でも力をつけていける環境がある

ダンス部 部長 中村結希乃

現在、ダンス部は3年生2名、2年生2名、1年生3名の計7名で活動しています。振り付けや選曲も自分たちで考えて、日々試行錯誤を重ねながら大会やイベントに臨んでいます。

私たちが得意とするのは、「pom(ポム)部門」と呼ばれる、ポンポンを使ったシャープで正確な動きが求められるダンスです。全国大会に出場していることから、ハードルが高いと思われがちですが、初心者でもまったく問題ありません。ダンス未経験だった後輩も今ではいろいろな技を習得し、チームの一員として活躍しています。

「やってみたい」という気持ちさえあれば、誰でも成長できる環境が飯塚高校ダンス部にはあります。練習以外の時間にも、先輩が後輩に個別で教えたり、メンバー同士が励まし合ったりする温かい雰囲気が根づいているからです。

私自身、ダンス経験はあったものの、1年生の頃はできる技が限られていて、つまずくことも多くありました。それでも、先輩方や顧問の田中亜由子先生が根気強く寄り添い、丁寧に教えてくださったおかげで、できる技が少しずつ増えていき、自信を持てるようになりました。今は自分が教える立場として、後輩たちに技術を丁寧に伝えて、できる技を増やしてもらい、ダンスを楽しんでもらいたいと思っています。

自分たちのダンスが誰かの力になる喜び

ダンス部 部長 中村結希乃

これまでの活動のなかで特に印象に残っているのは、2年生のときに出場した「ALL JAPAN CHEER CHAMPIONSHIP 2024 全国大会」での出来事です。jazz部門の演技中、音源トラブルで曲が途中で止まるハプニングがありました。踊り直しの判断を任されたのは、1年生の初心者の部員でした。やり直しはしないと即座に決断してくれて、私たちはそのまま踊り切り、結果として3位に入賞できたときは感動しました。

また、田中先生の存在もこの部の大きな魅力のひとつです。ダンスの世界で活躍する多くの方々とつながりを持ち、私たちにもそのネットワークを通じたワークショップや実践の場を提供してくださいます。日常の練習だけでは得られない、プロフェッショナルからの学びをたくさん得られる、恵まれた環境です。

ダンス部は大会だけでなく、サッカー部の公式戦での応援や地域のイベントなどにも参加し、学校の教育目標であるGLI(Global・Local・Individual)にも沿った活動をしています。「元気をもらったよ」と声をかけていただくことも多く、自分たちの踊りが誰かの力になっていることを実感するたび、ダンスをやっていてよかったと心から思います。

今後はさらに部員数を増やして、より迫力のある演技や多彩なフォーメーションに挑戦していきたいです。中学生の皆さん、もし少しでも興味があれば、私たちのダンスをぜひ見に来てください。そして、いつか一緒に踊れる日が来たらうれしいです。

※記事内容は取材当時(2025年6月)のものです。