【合格者インタビュー】明治学院大学 社会学部 社会学科 𠮷田善さん(特進グローバルコース)

𠮷田善さん(特進グローバルコース)

令和7年度 総合型選抜において、飯塚高校では多くの生徒が志望大学への合格を勝ち取りました。今回は、明治学院大学 社会学部 社会学科に合格した𠮷田善さん(特進グローバルコース3年生)に、飯塚高校での3年間の歩みと進路選択についてお話を伺いました。

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キャプテンと委員長を兼務した濃密な高校生活

——最初に、高校生活全体について伺います。サッカー部やクラスで責任のある立場を経験する中で、振り返ってみてどんな3年間だったと感じていますか。

とても濃い3年間だったと思います。サッカー部ではキャプテンとしてチームをまとめ、クラスでは委員長としてクラス全体を見る立場にあり、常に「自分の言動が周りにどう伝わるか」を意識しながら、行動するようになっていきました。

その中で、うまくいったこともあれば、失敗したこともたくさんありました。今振り返ると、その一つひとつが自分を大きく成長させてくれた時間だったと感じています。

——その3年間を通して、考え方や物事への向き合い方が変わったと感じる部分はありますか。

一番大きく変わったのは、「人はそれぞれ違う考え方を持っている」ということを、本当の意味で実感したことです。中学校までの自分は、「自分の考えが正しい」という前提で物事を見ていて、試合中にチームメイトがミスをすると、強い言葉をかけてしまうこともありました。

ですが、高校に入ってから、特に2025年シーズンからキャプテンを任されるようになって、「同じ出来事でも、人によって受け取り方や考え方はまったく違う」ということに向き合う場面が増えていきました。個性の強い選手が多い代だったこともあり、押しつけるだけではチームは良くならないと、実感するようになりました。

そこからは、何かを伝える前に、一度立ち止まって考えるようになりました。自分が言いたいことだけをそのまま伝えるのではなく、相手の考えと重ねてみたときに、何が気になっているのかを整理し、言葉を選んで伝えるようになりました。

大多数の意見を優先するあまり、少数派の声が消えてしまう状況がとても嫌で、できるだけ一人ひとりの意見を聞き、その背景まで理解しようと努めるようになりました。自分がそうして柔軟に変わっていく中で、チームの雰囲気も少しずつ変わっていったように思います。

キャプテンとしての挫折、対話で乗り越えた経験

寮の仲間と
寮の仲間と

——キャプテンとして活動する中で、「これはきつかった」と感じた出来事はありましたか。

振り返ってみると、キャプテンになりたての頃が一番きつかったと思います。考え方が変わったからといって、すぐにチームがうまく回るわけではなく、チームとして噛み合わない時期がありました。

問題が起きたときの対応を誤り、良かれと思ってかけた言葉が、かえって部員との距離を生んでしまったこともあります。その結果、周囲から頼られなくなりかけていると感じた時期があり、「自分はキャプテンとしてチームを引っ張れているのだろうか」と悩んだことも。

——その苦しい時期を支えてくれた存在はありましたか。

精神的に大きな影響を受けていたのが、兄の存在です。兄は学生時代に生徒会長を務めていて、自分にとっては昔から憧れの存在でした。何かを細かく教えてもらうというよりも、人の前に立つ姿勢や、責任を引き受ける在り方を、自然と見てきた相手だったと思います。

受験期には、兄からふとしたタイミングで「お前ならいけると思うよ」と声をかけてもらったことがありました。何か根拠があったわけでも、具体的な助言をもらったわけでもありません。ただ、その何気ない一言が、前向きなエネルギーになりました。

キャプテンという役割を引き受けることができた背景にも、「兄のように、人の前に立つ役割を担える存在になりたい」という思いが、少なからずあったのだと思います。

——そこから、どのようにしてチームと向き合っていったのでしょうか。

意識したのは、「とにかく話すこと」でした。考え方が変わっただけでは何も伝わらないと思い、行動として示すことを大切にしました。

今まであまり関わってこなかった部員にも自分から声をかけ、学年やカテゴリー、寮やクラスの枠を越えて、できるだけ直接コミュニケーションを取るようにしました。何か気になることがあったときも、まず本人のところへ行って話を聞くことを徹底しました。

「向き合い続けること」を大事にする。その姿勢を続ける中で、少しずつですが、チームとしての連携や一体感が生まれていった感覚があります。

——その経験は、受験の場面ではどのように影響したと思いますか。

はい、かなり生きたと感じています。キャプテンになってからは、チームをどう良くしていくかを考え続け、その思いを言葉にして伝えたり、みんなの前でまとめて発信したりする機会が本当に多くありました。部員190人を前にして話す場や、部を代表して意見を伝える場などで「どう言語化するか」を常に考えてきたことが、大きな経験になっていました。

その積み重ねがあったからこそ、総合型選抜の面接でも、大人の方と話すことに対して過度な緊張はなく、落ち着いて臨むことができたと思います。キャプテンとして試行錯誤しながら向き合ってきた時間すべてが、面接で語れる「自分の軸」になっていました。

多様性に触れた日常が、学びたい分野を明確にした

——クラス委員長として過ごす中で、特に印象に残っている経験はありますか。

僕が所属している特進グローバルコースには留学生も多く、日常の中でさまざまな価値観に触れる機会がありました。その中でも特に印象に残っているのが、「フリーファッションウィーク」や「メイクアップデイ」です。

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日本人の生徒にとっては少し勇気が必要な取り組みでも、留学生にとってはごく自然な自己表現であることも多く、同じ空間にいながら、自己表現に対する考え方がここまで違うのかと驚きました。

クラス委員長として、その違いをどう受け止め、どうクラスの雰囲気づくりにつなげていくかを考え続けたことは、自分にとって大きな学びでした。

——そうした経験は、進路や学びたい分野にも影響しましたか。

大きく影響しました。同じクラスにいても、意見を言いやすい人と言いにくい人がいる。その背景には、文化や環境、これまでの経験が関係しているのではないかと考えるようになりました。

「組織の中で声を上げられない環境が、成長の機会を奪ってしまうのではないか」。そうした問題意識が芽生えたことが、社会学を学びたいと思うようになった原点です。

サッカー部でのキャプテン経験と、クラス委員長として多様性に向き合った日々が重なったことで、「人と組織の関係性を社会学の分野から探究したい」という思いが、自分の中ではっきりしていきました。

ひとりじゃない受験期。先生たちの存在が支えに

——進路を具体的に意識し、明治学院大学を目指すようになったのは、いつ頃でしたか。

3年生の夏頃です。それまでも社会学を学びたいという思いはありましたが、どこの大学を目指すかは漠然としていました。

そんな中で、明治学院大学に通っている先輩から声をかけてもらい、サッカー部の練習に参加する機会がありました。現地で練習に参加し、サッカー部の雰囲気や大学全体の空気感に触れてから、「ここで4年間を過ごしたい」と思うようになりました。

社会学を学べる環境と、競技に本気で打ち込める環境。その両方がそろっていたことが、志望の大きな理由です。

——進路を考え、受験に向かう中で、印象に残っている先生とのやりとりはありますか。

本先生と
本先生と

担任の本先生とのやりとりです。面接練習をお願いすると「ちょっと待って、すぐ行くから」と声をかけてくださり、忙しい中でも時間をつくって向き合ってくれました。朝のHRでも、一人ひとりの状況にさりげなく気を配ってくれているのが伝わり、「自分のことをちゃんと見てくれている」と感じられたことは、受験期の大きな支えでした。

菊池先生と
菊池先生と

国語の菊池先生とのやりとりも印象に残っています。志望理由書や小論文の内容を何度も一緒に掘り下げてもらいました。思うように書けずに不安になっていたとき、菊池先生からかけてもらった「お前が受からんかったら、誰が受かるねん」という言葉は、今でも強く心に残っています。その一言で、「ここまで積み重ねてきた経験を信じていいんだ」と思えるようになり、最後は自分の言葉で、自信を持って受験に臨むことができました。

志望理由書については、「何を書こうか迷うほど、いろいろな経験ができた」と胸を張って言えます。サッカー部キャプテンとしての経験、クラス委員長としての取り組み、グローバルコースでの学びなど、振り返ると、とても恵まれた環境にありました。どれも大切な経験だったからこそ、どのエピソードを選ぶか本気で悩み、その中から自分にとって最も伝えたいものを選ぶことができたと思います。

新たなステージでの目標と後輩へのメッセージ

——今後の目標について教えてください。

明治学院大学では、サッカー部で関東リーグ2部(※)から1部へ昇格し、最終的には1部優勝、そして日本一を目指したいと考えています。

※明治学院大学 体育会サッカー部は2025年度リーグ戦でリーグ優勝を果たし、関東リーグ2部への昇格が決定

その思いがより強くなったのは、高校生活最後の1年で経験した試合があったからです。特に印象に残っているのが、インターハイ予選の東福岡戦、そして全国高校サッカー選手権大会予選の東福岡戦です。

インターハイ予選の東福岡戦

特に選手権は、3年生にとって最後の大会ということもあり、チーム全体の気合の入り方が、これまでとはまったく違いました。自分自身は試合に出場することはできませんでしたが、キャプテンとして「どういうマインドで試合に臨むのか」「チームとしてどう在るべきか」を最後まで発信し続けました。

やれることはすべてやった——。そう思って臨んだ決勝戦でしたが、結果は敗戦でした。試合が終わった瞬間、悔しさと同時に、言葉にしづらい無情感のような感覚がありました。やり切ったからこそ後悔はない一方で、「勝つために、もっとできることはなかったのか」という思いも残りました。

インターハイ予選の東福岡戦

東福岡が喜ぶ姿の横で、悔しそうに片付けをする仲間や、スタンドで涙を流す保護者の方々の姿を見たとき、自分はキャプテンとして、まだまだ力が足りなかったのだと、強く感じました。チームの中心に立つ立場だったからこそ、その責任の重さと、自分の無力さを痛感した試合でもありました。

それでも「やりきった」と自信を持って言える経験ができたことは、自分にとって大きな財産です。この1年を通して、「本気でサッカーに向き合える時間は、決して当たり前ではない」ということを、身をもって学びました。

だからこそ大学では、この4年間を、プロとしてサッカーを続けない限り、自分の人生の中で本気で競技に向き合える最後の時間だと捉えています。競技力の向上だけでなく、高校で学んだように人と向き合い、組織の中で自分がどう在るべきかを考え続けながら、人としても成長できる時間にしていきたいです。

——最後に、今後大学受験を経験する後輩や高校選びを考えている中学生に向けて、メッセージをお願いします。

まずは、今飯塚高校で学んでいる後輩に向けて伝えたいことが3つあります。

1つ目は、志望校をできるだけ早く決めることです。目標が明確になると、日々の行動や準備の質が大きく変わります。

2つ目は、英検などの検定を早めに取得しておくことです。特に、英検は2級まで取っておくとアピールポイントになると聞きます。早く取得できていれば、気持ちの面でも余裕を持って受験に臨めると思います。

飯塚高校では、検定取得に向けたサポートも整っていて、学年ごとに英検を複数回、無料で受験できる制度があります。こうした環境をうまく活用して、早い段階で検定を取っておくことが、受験にも生きるはずです。

3つ目は、いろいろな経験を積み、できればそれを記録しておくことです。部活動や委員会、行事、日常の小さな出来事も含めて、その一つひとつが、受験で語れる「自分だけの経験」になります。

実際、自分が志望理由書を書いたときには、どの経験を書こうか悩んでしまうほど、伝えたいことがたくさんありました。それだけ、高校生活の中で多くの経験をさせてもらったのだと思っています。

そして、これから飯塚高校を目指す中学生の皆さんに伝えたいのは、飯塚高校は「ただ勉強するだけの場所」ではないということです。挑戦できる環境がそろっていて、やろうと思えば本当に多くの経験ができます。その一つひとつの経験が、自分の考え方を広げ、将来につながっていくはずです。

——素敵なお話をありがとうございました。

今後も合格者インタビューを順次掲載していきますので、ぜひご覧ください。

「特進コース(※)」について詳しくはこちらを参照ください。
※令和8年度より「探究プロジェクト」に名称変更

※記事内容は取材当時(2026年1月)のものです。