「小さな好奇心を確信に変えて、世界へ羽ばたく” Turn a spark of curiosity into confidence, and soar into the world.”」(嶋田学園 国際コーディネーター 窪田太郎)

国際コーディネーター 窪田太郎先生

飯塚高校では、生徒一人ひとりの希望に応じた留学を実現するため、交換留学プログラム(以下、留学プログラム)において充実した支援体制を整えています。協定校の拡充や、金銭的負担を抑えた制度設計にも取り組み、国内外での実践的な学びをより身近なものとする工夫を重ねてきました。

今回は、留学支援に携わる教員へのインタビューを通じて、飯塚高校ならではの留学の魅力をご紹介します。

登場するのは、嶋田学園の国際コーディネーターであり、交換留学プログラムを統括している窪田太郎先生です。

「本校では『生徒一人ひとりの夢に応じた留学の実現』を目標に掲げ、多様な国・地域との協定校ネットワークを生かした留学プログラムを展開しています。5ヶ国9校の協定校との間で安心・安全な交換留学制度を構築し、近年では留学希望者のほぼ100%が何らかの形で海外経験を実現できています」

そう話す窪田先生はアメリカで育ち、小学4年生から中学生までは親の仕事の都合でヨーロッパ各国に滞在。その後はワシントン州で高校・大学時代を過ごしました。幼少期から多様な国や文化、人々に触れてきた経験を生かし、現在はグローバルな視点から、生徒に実体験をもとにした学びを提供しています。

25歳で来日し、以来24年間、嶋田学園に勤務。協定校の開拓から締結までを一貫して担当するなど、長年にわたり国際交流や留学支援に尽力してきました。学校同士の理念や教育方針のすり合わせを丁寧に行い、時に現地の教育委員会や自治体、教育関連の国際団体とも連携を図りながら、文化や制度の違いにも配慮し、信頼関係を築く地道な対話を重ねています。その姿勢が、双方にとって実りある国際交流の礎となっています。

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「本校では、留学希望者一人ひとりと丁寧に向き合い、『“行ける人”ではなく、“行きたい人”が行ける留学』の実現を目指してきました。そのために、年に数回の説明会や個別面談を通じて、早い段階から進路意識を育む指導を行っています。さらに、留学の目的や希望進路、語学力、適性、家庭の事情などを踏まえたうえで、個別にプログラムを調整し、生徒それぞれに最適な留学先を提案できる体制を整えています。

とくに本校独自の取り組みとして力を入れているのが、金銭的負担をできる限り抑えた交換留学制度の設計です。協定校との間で、学費や滞在費の一部または全部が相互免除される仕組みを整えており、『英語の成績が一定水準に達していれば、誰でも留学に挑戦できる』という点は、多くの生徒や保護者の方々から高い支持を得ています。

ニュージーランドやカナダ、韓国、タイ、中国など、多様な国々の協定校との連携も本校の特長です。現地の教育機関と信頼関係を築き、継続的な交流実績を積み重ねてきたことが、現在のネットワークの広がりにつながっています。生徒たちの現地での活躍や、ホストファミリーとの良好な関係が、さらに次の交流へとつながる好循環を生んでいます。

生徒たちには、より大きな可能性をつかんでほしい。その思いから、協定校の拡大も今後継続していく方針です。そのために何より大切にしているのが、『一度の出会いや交流を一過性で終わらせない』という姿勢です。生徒の誠実な姿勢や現地での努力、そして受け入れ時の丁寧な対応など、一つひとつの行動の積み重ねが、次なる協定へと確実につながっているのを実感しています。

また、学校法人として、トップ(嶋田吉朗 常務理事/校長補佐)と現場が一体となり、国際交流を学校の柱として位置づけていることも、本校ならではの大きな強みだと感じています。現場の教員も、海外出張やオンライン交流に積極的に関わりながら、現地との絆をより深めています。

さらに、生徒が安心して海外での学びを深められるよう、留学支援は『出発前・滞在中・帰国後』の3つのフェーズに分けて体制を整えています。出発前には事前研修を実施し、語学力の補強に加えて、現地での生活マナーや文化理解、トラブル対応の知識なども身につけます。英語に不安のある生徒には、個別のサポートも行っています。

留学中は、ホスト校や生徒本人と定期的に連絡を取り、生活や学習面での悩みがないかを確認します。LINEやZoomを活用したオンライン面談も行い、現地で起こる変化にも即座に対応できる体制を整えています。

帰国後には、『生徒の留学経験を学校全体の学びと成長につなげる』という考えのもと、海外からのバディ生の受け入れや、レポート、滞在中の1日1日の学びを綴った日誌の提出を通じて、経験の記録と内省の機会を設けています。自らの経験を言葉にして他者に伝えることで、学びがより深く定着し、さらなる自信にもつながっています。

本校の交換留学制度は、単なる海外体験ではありません。生徒が視野を広げ、自分自身の将来について考えるきっかけとなる“学びの場”であると捉えています。留学を通して、自分の選択に誇りを持ち、さらに成長していく――そんな経験を生徒たちにしてほしいと心から願っています。

英語が得意な生徒もいれば、自信が持てない生徒もいます。それぞれの思いや背景を尊重し、『挑戦したい』という気持ちを応援する姿勢を、私はこれまで一貫して大切にしてきました。今後も変わらず、『生徒一人ひとりの気持ちに丁寧に寄り添う』というマインドを持ち続け、ひとりでも多くの生徒が世界に羽ばたけるよう、精一杯サポートしていきます」

※記事内容は取材当時(2025年5月)のものです。