学びの“幹”を太くした一年|学習習慣に踏み込んだZEN Study連携授業

ZEN Study連携授業の様子

飯塚高校で2024年度よりスタートしたZEN Study(N高グループで使用されている学習アプリ、ドワンゴが開発・運営)との連携授業(オンライン・リアルタイムで実施)は、2025年度も継続して実施されました。

2〜3年生のみが対象だった前年度に対し、2025年度は対象を1〜3年生へと拡大。日頃の授業で扱っている問題をさらに発展させ、入試問題に触れる機会をつくりながら理解を深めることを目的に、より多くの生徒が発展的な学びに触れる一年となりました。

授業を担当された数学講師の小倉悠司先生のお話をもとに、本年度の取り組みを振り返ります。

学びを支える「学習習慣」という幹

2025年度の連携授業を語る上で最も重要な変化は、年度途中から「学習習慣をつけること」へと重点をシフトさせていった点にあります。これまでの連携は、数学という教科の理解を深める授業が中心でした。しかし今年度は、その前提となる学び方そのものに踏み込みました。

「飯塚高校さんと継続的に関わる中で、数学の力を伸ばすことはもちろんですが、それ以上に生徒全体の成長につながることをしたい、という想いが強くなりました。

まずは学習全体で見ると“幹”ともいえる学習習慣を太くすることが重要といえます。幹が太くしなやかに育てば、数学をはじめとするさまざまな科目が自然と伸びていきます。

サッカーに喩えるなら、シュートだけを教えるのではなく、まずは走り切るための体力や身体の使い方など、運動における土台をつくること。学習も同じで、土台が整うと、伸びやすくなると感じています」(小倉先生)

ZEN Study連携授業の様子

この考えのもと、本校の教員たちと連携しながら「自ら学ぶ状態」をつくる取り組みが進められました。

具体的には、小テストの実施に加え、生徒を学習状況に応じてABCの3グループに分け、日々のノートや学習の姿勢などへの具体的なフィードバックを返すことで、生徒自身が成長を実感でき、学習習慣が身につく仕組みを整えました。「なぜ」間違えたかを言語化すること、できるようになるまで繰り返すことなど、基本的な学習行動の精度が着実に向上しています。

学習習慣は一朝一夕で身につくものではありません。だからこそ、継続的に積み上げていく「土台づくり」が重視されています。

自ら考え、問いを立てる力を育てる

学習習慣という土台があってこそ、内容の理解が積み上がり、「なぜそうなるのか」と考える学びへと進むことができます。

日頃の問題をさらに発展させ、入試問題へと橋渡しするこの授業では、解法の暗記だけでは通用しません。なぜその発想に至るのか、なぜその考え方を選ぶのか、思考のプロセスそのものが問われます。そこが理解できていなければ、別の問題に出会ったときに応用が利かず、再現することができないからです。

「公式に当てはめるだけでは再現性がありません。なぜそうなるのかを理解することが大切です。今のAI時代では、過程に着目し『なぜそれが起こるのか』を理解することがますます重要になってきます。この『なぜ』を問う姿勢は数学に限らず、仕事においても『なぜこの取り組みを行うのか』と考えられるかどうかで成果は大きく変わる、将来にわたって生きる力になります」(小倉先生)

答えだけであれば簡単に手に入る時代だからこそ、問いを立て、理由を考える力が価値を持つ。そうした思考力もまた、学習習慣という土台の上に育っていくものです。

受験を通して、自分と本気で向き合う

ZEN Study連携授業の様子

こうした学びの土台や思考力の育成とあわせて、連携授業の中で大切にされているのが「本気で取り組む経験」です。苦手なことから逃げずに向き合うこと、自分の将来について真剣に考えること。そうした経験は、学力にとどまらずその後の人生にも影響を与えます。

「受験を通して、本気で自分に向き合ってほしいと思っています。本気で何かに向き合う機会は、人生の中でもそう多くはありません。一部の3年生からは、あきらめぐせが改善された、これまで避けてきた課題に向き合えるようになった、といった変化も聞きました。

生涯にわたって学び続けることが大切で、受験を通して学び方や姿勢が身につけば、社会に出てからも活躍できる力になるはずです」(小倉先生)

本気で向き合う経験と、その過程で身につく学び方や姿勢。その積み重ねが、生徒たちの未来を支える力へとつながっていきます。

2026年度、さらなる深化に向けて

2024年度の数学中心の取り組みから、学習習慣の定着という根本へ。2025年度の連携授業は、より本質的な変革を遂げながら、いまもその歩みを続けています。定着には一定期間の継続が必要であり、2026年度においても、学習習慣の確立を軸に置きながら、日常学習と入試をつなぐ発展的な学びをさらに深めていく予定です。

ZEN Study連携授業の様子

「飯塚高校の生徒さんはとても素直で、学びに真摯に向き合う印象があります。だからこそ、こうした取り組みの中で大きく伸びていく可能性を感じています。本気で取り組む生徒たちの成長を、これからも支え続けていきたいと考えています」(小倉先生)

学びの本質とは、知識を得ることだけではありません。数学というひとつの教科を入口に、学び方を身につけ、考える力を育てる。その積み重ねが、生徒たちの可能性をより広く、より深く押し広げていく。そうした取り組みが、いま飯塚高校で着実に前へ進んでいます。

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※掲載している写真は、普段は遠隔で行われている授業の中で、当日実施された対面授業の様子です。

■小倉悠司先生プロフィール

ZEN Study・N高グループで高校数学・中学数学を担当している。また、大手予備校等で指導・模試作成などに携わり、多くの受験生を合格に導く。著書として『小倉悠司のゼロから始める数学Ⅰ・A』(KADOKAWA)、『解法のエウレカ』シリーズ(Gakken)、『高校数学 パターンドリル』シリーズなど多数出版。「なぜ」を徹底的に言語化し、理解を積み上げることで自力で解ける力を育てる指導に定評がある。数学の楽しさや有用性を広めるべく、数学教育フェスなどのイベントを開催したりと精力的に活動している。

■「ZEN Study」とは

「ZEN Study」は学校法人角川ドワンゴ学園が運営するN高グループの生徒向けに開発されたオリジナルアプリで、高校卒業資格の取得に必要な必修授業や課外授業の学習に利用します。

映像と授業テキストが同一画面に表示されるなど、パソコン・スマートフォン・タブレットでの学習に最適化されている学習アプリです。

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