「伝えたい気持ちがあれば伝わる」と気づいた。1年生で叶えたニュージーランド交換留学【特進グローバルコース・田中凛さん】

飯塚高校では、提携する世界5カ国・9校との交換留学の機会を提供しています。入学して間もない1年生にもそのチャンスがあり、条件を満たせば費用は主に往復航空券代のみ。安心して挑戦できる制度が整っています。
今回は、ニュージーランド(以下、NZ)のランギオラハイスクールに留学した特進グローバルコース1年生の田中凛さんに、現地での生活や成長について伺いました。
田中さんは、幼稚園時代に飯塚高校の先輩たちの姿を見て「自分もいつか留学したい」と憧れを抱いていたことが、志望のきっかけだったといいます。
「先生方のサポートも丁寧で、出発前の手続きや現地でのフォローもとても親切でした」と振り返る田中さん。初めての海外でどんな経験を重ね、どんな成長を得たのかを語ってくれました。
(本インタビューは留学後に実施しています)
幼稚園の頃の憧れが、初の海外留学へとつながった

――まず、留学を決めたきっかけを教えてください。
通っていた愛宕幼稚園(本校系列の認定こども園)で、ニュージーランドから来た留学生と交流したことがありました。そのときにアルファベットを教えてもらったり、子ども向けの授業をしてもらったりするなかで、「いつかニュージーランドに行ってみたい」という思いが芽生えたんです。自然が好きだったこともあり、「あんなきれいな場所で過ごしてみたい」とずっと思っていました。
――入学後すぐに留学を決めたそうですね。
はい。募集の案内を受けたときに「このチャンスを生かしたい」と思い、同じクラスの原田佳音里さんと「行ってみよう!」と話してすぐに決めました。家族で海外に行ったこともなかったので、少し不安はあったものの、それ以上にワクワクが勝っていました。
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――英語力には自信がありましたか?
正直、特別得意というわけではありません。ネイティブの方と話した経験もほとんどありませんでした。ただ、飯塚高校にはネイティブスピーカーの先生や留学生もいて、日常的に英語に触れる機会があるので、自然と興味が深まりました。
動物が身近にいる暮らし、自由で個性的な学校文化

――憧れていたNZに行ってみて、どんな印象を持ちましたか?
思っていた以上に自然豊かで、空気がとてもきれいでした。街中にも木が多く、どこにいてもリラックスできる環境でした。ホームステイ先はランギオラの郊外にあり、NZ南島最大の都市クライストチャーチにも車で気軽に行ける距離です。家のまわりには馬や羊がたくさんいて、ホストファミリーの家でも5頭の馬を飼っていました。動物が日常のそばにいる暮らしはとても新鮮でした。
――ここからは学校生活について聞いていきます。特に印象に残っていることを教えてください。
まず校則の自由さに驚きました。髪を染めたりピアスをつけたりしている生徒も多く、授業中にお菓子を食べても注意されません。制服も「この服を着てね」という程度の緩やかなルールです。日本の高校との文化の違いを肌で感じました。
授業も日本とは大きく異なり、自分で科目を選択するスタイルです。私はバディ(ホームステイ先の生徒)と同じ授業を受けていて、特に印象に残ったのは写真の授業です。学校の一眼レフカメラを使って屋外で撮影し、自分たちで編集まで行います。逆に苦戦したのはマオリ語で、本文がすべてマオリ語、設問だけ英語というプリントに苦労しましたが、辞書を引きながら頑張りました。
――放課後の活動も日本とは違うようですね。
部活動というよりサークル活動に近く、私のバディは歌とダンスのサークルに入っていました。そこでは生徒がリーダーとなって全員をまとめていて、先生が顧問としてつくことはありません。みんな堂々と歌っていて、歌を心から楽しんでいて、恥ずかしがらずに自己表現する姿が印象的でした。

――友達とはどうやって仲良くなれましたか?
最初は緊張しましたが、ホームルームの時間に「UNOしよう!」と誘ってくれたのをきっかけに、一気に打ち解けました。日本のお菓子を渡したり、授業に関する質問をしたりするうちに自然と距離が縮まっていきました。英語だけで話す環境でしたが、毎日の積み重ねで徐々に慣れていきました。
伝えたい気持ちがあれば、伝わると知った

――英語でのコミュニケーションや現地での生活で、苦労したことや成長を感じた瞬間を教えてください。
最初は言葉がうまく通じず戸惑うことも多かったですが、単語やジェスチャーを使って一生懸命伝えようとすると、相手も理解しようとしてくれます。完璧でなくても「伝えたい」という気持ちがあれば通じると実感しました。
また、空港での移動や現地で道を尋ねるときなど、未知の環境で自分から行動するうちに「やってみればなんとかなる」と思えるようになりました。もともと人と話すのが得意ではなかった私にとって、勇気を出して話しかける経験が大きな自信につながりました。
――帰国後に変化を感じたことはありますか?
人と話すのが少し楽になりました。以前より積極的にコミュニケーションを取れるようになり、英語だけでなく、自分の考えを伝える力もついてきたと感じています。

――今後はどんな挑戦を考えていますか?
この留学を通して、「知らない場所でも意外とやっていける」という自信がつきました。もっといろんな国に行ってみたいです。特にイタリアやアメリカ、飯塚高校で仲良くなった友達の出身国である中国やフィリピンにも興味があります。10月下旬には韓国への短期留学も予定しています。食べることが大好きなので、現地の食文化にたくさん触れたいです。
――留学に興味のある、未来の後輩たちへメッセージをお願いします。
最初は不安かもしれません。でも、思い切って行動してみたら「自分もできるんだ」と実感できます。飯塚高校にはたくさんの挑戦のチャンスがあります。新しいことにチャレンジし続けることで、新しい自分に出会えると思います。
3週間にわたるNZ留学を通して、田中さんは「完璧でなくても伝わる」ことを学び、行動する勇気と自信を得ました。その経験は次の挑戦への原動力となっています。
飯塚高校だからこそ、安心して挑める留学のチャンス。その一歩を踏み出せば、教室だけでは得られない大きな成長が待っています。
――お話をありがとうございました!
※記事内容は取材当時(2025年10月)のものです。
※写真は田中さんよりご提供いただきました。
飯塚高校のグローバル教育について
本校はグローバル教育に力を入れています。
ニュージーランド(ワイヌイオマタ高校、ランギオラハイスクール)のほか、韓国(釜山観光高校)、タイ(IBS)、中国(第十六中学校)、カナダ(ヴィクトリア高校)などに協定校を持ち、短期交換留学などの交流機会を持っています。
そのほか、アメリカ、ベトナムなどの多様な国々からも留学生を受け入れ、グローバル教育に関する幅広い機会を提供しています。
授業を含む日常はもちろん、体育祭や学園祭の海外協定校関連の演目などでも、国際交流を積極的に行い、GLI(※)全体の取り組みを通して、次世代を担う人材育成に努めています。
※Global(グローバル)・Local(地域)・Individual(個性)