【合格者インタビュー】北九州市立大学 文学部 比較文化学科 合格 松延紀希さん

令和7年度大学入試において、飯塚高校では多くの生徒が志望大学への合格を果たしました。今回は、北九州市立大学 文学部に合格した松延紀希さんに、志望校を決めたきっかけや受験に向き合った日々、そして第一志望合格に至るまでの歩みについて話を聞きました。
1年生の終わり頃から本格的に受験勉強に向き合い、基礎を何度も繰り返す長期的な学習を積み重ねてきた松延さん。挫折を乗り越えながら、自分なりのペースで学び続け、第一志望合格をつかみ取りました。その背景には、自分の可能性を信じられるようになった変化と、先生方をはじめとした周囲の支えがありました。
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「大学は自分には関係ない」と思っていたけれど
——志望校を北九州市立大学に定めた背景には、どのような考えやきっかけがあったのでしょうか。
実は、もともと大学に進学するつもりはなく、看護師を目指して専門学校に進もうと考えていました。情報を調べたり、そのための勉強をしたりと、進路もある程度固まっていた状態でした。
そんな中で、英語の小山先生に進路相談をした際に、「松延さんは大学の方が合っていると思う」と言っていただいたんです。
それまでの私は、大学に進む人は特別に頭が良い人や裕福な人だと思っていて、自分には関係のない世界だと感じていました。だからこそ、その言葉には驚きましたが、同時に「自分も挑戦していいんだ」と思えるようになり、そこから大学受験を意識し始めました。
ちょうどその頃は自分に自信が持てない時期でもありましたが、先生の一言が、自分の中にあった思い込みを外してくれたように感じています。
——その当時、家庭でも大学進学という選択はあまり想定されていなかったのでしょうか。
はい。家族とも専門学校への進学を前提に話をしていました。
その中で大きな存在だったのが、担任の本先生です。本先生は3年間を通して私のことを信じ続けてくださり、自分自身すら信じられなくなったときにも「大丈夫」と声をかけてくださいました。
さらに、家族に対しても大学進学について丁寧に説明してくださり、進学の意義や現実的な部分まで伝えてくださいました。その結果、家族の理解も少しずつ深まり、最終的には応援してくれるようになりました。
こうした支えがあったからこそ、「大学に行きたい」という思いが強まり、2年生の夏に北九州市立大学を志望校として定めました。
心が折れそうなとき、前を向かせてくれた先生たちの存在
——北九州市立大学の中でも、文学部 比較文化学科という学部・学科を選んだ理由を教えてください。
2年生のときに学科について調べる中で、「比較文化」という分野に強い興味を持ったことが大きなきっかけです。総合探究の授業で宗教文化をテーマに学んだ経験から、文化や価値観の違いを知る面白さを実感し、さらに深く学びたいと感じるようになりました。
また、共通テストで倫理を選択したことをきっかけに、哲学的な考え方にも興味を持つようになり、こうした分野を体系的に学べる点にも魅力を感じ、この学科を志望しました。
一方で、飯塚高校で出会った先生方の存在も、自分の進路を考える上で大きな影響を与えてくれました。本当に多くの先生方に支えていただいたことで、ここまで頑張ることができたと感じています。
そうした経験から、教員という職業に強い憧れを持つようになりました。もともと国語が得意だったこともあり、将来は国語の教員になりたいと考えています。そのため、教職課程で国語の免許を取得できる点も、この学科を志望した理由の一つです。
——先生方からの支えが大きかったとのことですが、具体的にどのようなエピソードがありましたか。
さまざまな支えがありましたが、その中でも特に印象に残っているのが、小山先生と菊地先生とのエピソードです。
小山先生は、必要なときには厳しく、支えるときにはしっかり寄り添ってくださる先生でした。厳しい言葉で引き上げてくださる一方で、つらいときには必ず寄り添ってくださり、その両面があったからこそ、何度も「もう一度頑張ろう」と思うことができました。
一方で、菊地先生は「君ならできる」「絶対受かる」と繰り返し声をかけてくださいました。ただ励ますのではなく、これまでの努力を認めた上で言葉をかけてくださったことで、大きな自信につながりました。
また、先生ご自身の人生の話を聞く中で、「こうでなければならない」という固定観念が少しずつほぐれていき、進路や人生に対する考え方も大きく変わったと感じています。
「基礎に戻る」を繰り返した、3年間の積み重ね
——2年生の夏頃には志望校を定めていたとのことですが、そこから受験本番までの長い期間を、どのように計画を立てて勉強を進めていましたか。
本格的な受験勉強を始めたのは1年生の終わり頃からでした。長期戦になると考えていたので、まずは土台づくりを重視し、早い段階から計画的に基礎固めに取り組みました。特に、習得までに時間がかかる国語と英語を優先し、高校三年生になるまではこの二科目に絞って学習を続けていました。
古文の単語や助動詞、英語の単語や文法など、基礎的な内容を何度も繰り返しながら、「型」を身につけることを意識していました。
特に意識していたのは、「基礎は何度でも抜ける」という前提で勉強することです。どれだけやっても忘れてしまう。でも、だからこそ何度も戻る。その繰り返しが大事だと考えていました。
3年生からは、共通テストの過去問や模試問題に取り組み始めました。問題を解く中で自分に足りない部分を見つけ、その都度基礎に立ち返って復習する——そうしたサイクルを回していました。
この勉強方法は、先生に言われたものではなく、自分に合っていると感じて選んだやり方です。長い期間があるからこそ焦らず、基礎を積み重ね続けることを大切にしてきました。
——受験ではどのような科目を選択し、どのような対策を行っていましたか。
共通テストでは、国語・英語・倫理の3科目を受験しました。二次試験では、国語と英語の総合問題を選択しました。
共通テストまでは、主に英語の授業でお世話になっていた小山先生の指導を受けながら基礎力を積み上げていきましたが、二次試験対策において大きな支えとなったのが、進路室の矢ヶ崎先生の存在です。
矢ヶ崎先生は、授業で直接関わる先生ではないのですが、英語の二次試験対策を担当してくださいました。
印象的だったのは、一人ひとりの志望校に合わせて徹底的に対策をしてくださる点です。志望大学の出題傾向を細かく分析し、「この形式で出ることが多い」「この解き方を押さえておけば大丈夫」といった具体的なポイントを整理して提示してくださいました。
自分たち生徒は、志望校について詳しく知る機会が限られている中で受験に臨むことになりますが、矢ヶ崎先生はその“見えない相手”を可視化してくれるような存在でした。
「大学受験は、相手を知らないまま戦うものだと思っていたけれど、戦い方のヒントをたくさん与えてもらえた」と感じています。
そのおかげで、やるべきことが明確になり、迷いなく対策を進めることができました。受験の最後の局面で、支えてくださったことに感謝しています。
何度も諦めかけた。それでも続けられた理由
——長い受験期間の中で、苦しい時期もあったと思いますが、それを乗り越えたことで、ご自身の中にどのような変化や成長を感じていますか。
何度も挫折を経験しました。「自分には無理なんじゃないか」と思い、勉強をやめてしまったこともあります。
そのたびに「もう一度頑張ろう」と立ち上がれたのは、先生方の存在があったからです。生徒一人ひとりに向き合う姿を見て、「自分もこんな先生になりたい」と思い直すことができました。
また、「君ならできる」「君が受からなかったら誰が受かるんだ」という言葉に何度も背中を押してもらいました。
そこから少しずつ勉強を再開し、小さな成功体験を積み重ねる中で、自分に対する見方が変わっていきました。英単語を一周できた、模試で点数が上がった——そうした積み重ねによって、「自分でもできる」と思えるようになりました。
受験を通して、「やってみないと分からない」と考えられるようになり、自分の可能性を信じて挑戦できるようになったことが、とても大きな変化でした。
「できなかった経験」があるからこそ、伝えられること
——飯塚高校で出会った先生方の姿に影響を受けて、教員を目指すようになったとのことですが、ご自身の受験経験も踏まえて、将来どのような教員になりたいと考えていますか。
私を支えてくださった先生方のように、生徒一人ひとりに寄り添い、自分の経験を通して、生徒が自分の可能性を信じられるような言葉を届けられる教員になりたいと考えています。
その中で国語の教員を目指したいと思ったのは、自分自身の経験が大きいです。現代文は得意でしたが、古文は3年間ずっと苦手で、何度やってもできず、「向いていないのではないか」と感じることもありました。
それでも基礎を繰り返し続けることで、最終的には共通テストで高得点を取れるまでになりました。
この経験から、「できない人の気持ち」と「できるようになる過程」の両方を実感しました。だからこそ、解き方だけでなく、「どうすればできるようになるのか」を伝えられる教員になりたいと考えています。
——最後に、この先受験を経験する後輩や高校選びを考えている中学生に向けて、メッセージをお願いします。
志望校は早く決めた方がいいと言われることもありますが、私は最初から絞りすぎる必要はないと思っています。進路は途中で変えることもできますし、最初に範囲を狭めてしまうと、その後の選択肢を自分で制限してしまうことにもつながります。
だからこそ、最初は苦手科目も含めて幅広く基礎を固めておくことが大切です。後からどんな進路を選んでも対応できるようにしておくことが、自分の可能性を広げることにつながると思います。
また、受験は一人で戦うものだと思われがちですが、私にとっては決してそうではありませんでした。
飯塚高校には、生徒を一人にせず、一緒に歩んでくれる先生方がいます。勉強面だけでなく気持ちの面でも支えてくださるので、安心して努力を続けることができました。
不安になることもあると思いますが、一人で抱え込まず、周りの人と関わりながら進んでいってほしいと思います。
——素敵なお話をありがとうございました。
今後も合格者インタビューを順次掲載していきますので、ぜひご覧ください。
▶「特進コース(※)」について詳しくはこちらをご参照ください。
※令和8年度より「探究プロジェクト」に名称変更
※記事内容は取材当時(2026年3月)のものです。

