3年目を迎えたZEN Study連携授業、進路講演会を実施【進路ブログ#4】

飯塚高校で2024年度よりスタートした「ZEN Study」(N高グループで使用されている学習アプリ、株式会社ドワンゴが開発・運営)との連携授業は、2026年度も継続して実施されています。
今年で3年目を迎えるこの取り組みは、学術探究プロジェクト(特進アカデミックコース)の1〜3年生を対象にしたもので、オンライン・リアルタイム形式で授業を実施。2026年度は4月24日の第1回を皮切りに、月2回程度のペースで授業が積み重ねられてきました。
6月18日(木)には、その取り組みの一環として、3年生を対象とした進路講演会を実施。講師の小倉悠司先生とドワンゴの佐藤広幸さんが来校し、受験に向き合う意味や、進路選択において大切にしたい考え方について語りました。また翌19日(金)には、通常の連携授業も対面で行われました。

また、18日の5時間目には、3年1組の生徒たちとの座談会も行われました。生徒からは「自分が行きたい進路と、周囲から適性があると言われる進路のどちらを優先すればよいか」「入試本番で優先する問題をどう見極めるか」「勉強を楽しむにはどうすればよいか」など、進路や学習に関する率直な質問が寄せられました。

一つひとつの問いに丁寧に答える小倉先生の姿からは、2年間の連携授業を通じて、生徒たちが安心して質問できる関係が築かれていることが感じられました。
本記事では、進路講演会で語られた内容の一部をお届けします。
「本気で取り組んだ経験」が人生を変える

講演会では、まず講師の小倉悠司先生から、大学受験の意味について語られました。
「大学に進学をすれば必ず稼げるようになる、と言いたいわけではありません。ただ、社会人としてのスタート位置や選択肢には、大きく影響を与えると感じています」(小倉先生)
合わせて紹介されたのは、本気で何かに挑戦した経験がある人ほど、粘り強さやチャレンジ精神、社会への関心や自己肯定感、そして今の幸福感が高い傾向にあるというデータです。
「大学受験の価値は、合格そのものだけではありません。本気で取り組んだ経験が、今後の人生に役立つということです」(小倉先生)
ここで語られたのは、小倉先生自身の経験でした。小学生時代、サッカー部に入り、試合に出られない悔しさをきっかけにダイエットを決意し、走り続けたことで身につけた継続力ややり切る力。そして、高校3年生最初の数学のテストでとんでもない点数を取ったことから一念発起し、教科書を隅々まで読み込み、考え続け深く学ぶことで、数学の楽しさを知ったといいます。また、前期試験は残念な結果でしたが、諦めずに後期試験も同じ大学を受験し、逆転合格を果たしたことによる、諦めないことの大切さを語っていました。
「サッカーで培ったやりきる力があったからこそ、最後まで数学をやりきることができました。本気で向き合った経験は、思考力や諦めない心を育ててくれます」(小倉先生)
講演会後、生徒たちからは「本気で部活動に取り組んでいるからこそ、小倉先生の言葉に励まされた」といった声が多く上がっていました。
本気になるための鍵は「願望」
「では、どうすれば本気で取り組めるのか」という問いに対し、小倉先生が挙げたのは「願望」の大切さでした。
「『〜しなければいけない』という意思は、実は弱いものです。一方で『〜したい』という願望は強い。本気で取り組むためには、どうしても行きたいと思えるような志望校を見つけることが、何より大切だと思っています」(小倉先生)
大学のホームページやSNS、オープンキャンパスなど、情報を集める方法は今や数多くあります。自分の人生の主人公は自分自身であるという言葉とともに、自ら情報を集め、自ら進路を決めることの大切さが伝えられました。
また、合格する生徒に共通する考え方として紹介されたのが「事実は1つ、解釈は無数」という言葉です。模試の判定や受験までの残り日数といった同じ事実に対しても、絶望的に捉えるか、伸びしろとして捉えるかで、その後の取り組み方は大きく変わってきます。
「ポジティブな解釈ができる人は、より合格に近づいていきます。これは長年多くの受験生を見てきた中で感じていることです」(小倉先生)
「生徒の選択肢を広げたい」先生たちの想いから始まった新しい学び

ここで小倉先生からバトンを受けて話をしたのは、株式会社ドワンゴ 教育事業本部 コンテンツ開発部 教科学習セクションでZEN Studyの運営に携わる佐藤さんでした。
まず、集中力を整えるための簡単なリラックス法を生徒たちと一緒に実践したのち、なぜこの連携授業を飯塚高校で始めたのか、その背景を語りました。
「部活動に一生懸命取り組んでいる生徒さんたちが、高校卒業後にそれぞれの夢を実現していくとき、それしかないからと選ぶのではなく、できるだけ多くの選択肢を持った中から、自分が望む進路を選んでほしい——そんな先生方の熱い思いをいただいたことが、この取り組みが始まったきっかけです」(佐藤さん)
「自分に(ZEN Studyとして)できることは何か」を考えた末に行き着いたのが、ZEN Studyというアプリと、小倉先生の授業を提供することだったといいます。
「皆さんは学校に来て勉強しながら、オンラインという教材もプラスして使っている。こんなハイブリッドな形は、日本でもそうそうないと思います。新しい教育の形を、飯塚高校と一緒に作りたかった」(佐藤さん)
そしてこの取り組みを、飯塚高校だけで終わらせるつもりはないといいます。
「飯塚高校からひとつの形をつくることで、今後、同じ思いを抱えている他の学校にも広がっていく可能性がある。皆さんは、新しい教育を作るパイオニアなんです」(佐藤さん)
部活動だけでも、勉強だけでもなく、「やること全部に一生懸命になってみよう」という呼びかけのもと、生徒たちには、新しい教育の形を切り拓く存在としての期待が寄せられました。
今日からできる学習のヒント、そして次の一歩へ
ここで再び小倉先生にバトンが戻り、数学の具体的な学習法についても触れられました。
学習の初期段階では、まず「量」を重視すること。1日15分でもよいので毎日少しずつ取り組み、学習を歯磨きのような習慣にすることが推奨されました。一方で、ある程度学習が進んだ中期段階からは、「なぜそうなるのか」を言語化し、丸暗記に頼らず理解を積み上げていくことが大切だといいます。
「『なぜ因数分解をするのか』を理解していれば、初めて見る問題にも応用できます。逆に『そう教わったから』で終わってしまうと、初見の問題には対応できません」(小倉先生)
最後に小倉先生は、「今の行動が未来を作る」という言葉を生徒たちに贈りました。
「今日この場に参加したという行動も、きっと未来のあなたを良いものにしてくれます。受験は、未来の自分へのプレゼントです。ぜひ自分に良いプレゼントを渡してあげてください」(小倉先生)

飯塚高校とZEN Studyの連携授業は、今年度も月2回程度のペースで継続していく予定です。今回の進路講演会で語られた「本気で取り組む」という姿勢、そして「願望」を見つけることの大切さを胸に、生徒たちのこれからの学びがどのように積み重ねられていくのか、今後もその様子をお伝えしていきます。
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※掲載している写真は、6月18日・19日の来校時に撮影されたものです。
■小倉悠司先生プロフィール
飯塚高校教育顧問。ZEN Study・N高グループ・N中等部で高校数学・中学数学を担当している。また、大手予備校等で指導・模試作成などに携わり、多くの受験生を合格に導く。著書として『小倉悠司のゼロから始める数学Ⅰ・A』(KADOKAWA)、『解法のエウレカ』シリーズ(Gakken)、『高校数学 パターンドリル』シリーズ、『最速計算』シリーズ(旺文社)など多数出版。「なぜ」を徹底的に言語化し、理解を積み上げることで自力で解ける力を育てる指導に定評がある。数学の楽しさや有用性を広めるべく、数学教育フェスなどのイベントを開催したりと精力的に活動している。
■佐藤広幸さんプロフィール
株式会社ドワンゴ 教育事業本部 コンテンツ開発部 教科学習セクション所属。ZEN Studyの運営に携わり、N高グループをはじめとする学習支援の現場で、オンライン教材を活用した学びの設計・運用に取り組んでいる。飯塚高校との連携授業では、学校と連携しながら、オンラインとリアルを組み合わせた新しい学習環境づくりを支えている。
■「ZEN Study」とは
「ZEN Study」は学校法人角川ドワンゴ学園が運営するN高グループの生徒向けに開発されたオリジナルアプリで、高校卒業資格の取得に必要な必修授業や課外授業の学習に利用します。
映像と授業テキストが同一画面に表示されるなど、パソコン・スマートフォン・タブレットでの学習に最適化されている学習アプリです。
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