令和8年度「DXハイスクール」重点類型グローバル型に選出されました【飯塚高校のデジタル教育】

九工大授業風景

飯塚高校は、文部科学省の令和8年度「高等学校DX加速化推進事業(DXハイスクール ※1)」において、令和7年度に続き、重点類型「グローバル型(※2)」に選出されました。

本校は令和6年度にDXハイスクールの指定を受け、情報・数学などの学びを基盤に、ICTを活用した文理横断的・探究的な学びを推進してきました。

令和8年度も継続して採択されたことで、これまで進めてきたデータサイエンス教育や大学・地域との連携を、さらに発展させていきます。

(※1)DXハイスクールは、高校段階におけるデジタル等成長分野を支える人材育成の強化を目的とした文部科学省の事業です。情報・数学等の教育を重視したカリキュラムの実施、専門的な外部人材の活用、大学等との連携などを通じて、ICTを活用した探究的・文理横断的・実践的な学びを推進する学校を支援するものです。

(※2)令和8年度のDXハイスクールでは、全国1,249校が採択され、そのうち重点類型は80校、さらに「グローバル型」は20校のみとなっています。

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デジタルやAI(人工知能)技術が進化し続ける中、これからの社会で活躍するためには、早い段階からデータやテクノロジーに触れ、課題解決に生かす力を育むことが重要です。

3年目となる本年度も、本校ではDXを活用した多様なプロジェクトを展開し、生徒に実社会とつながる学びを提供していきます。

DXハイスクール対象授業・取り組みの一部を紹介します

学校現場の課題から始まる、飯塚高校のDX

本校のDX教育は、単にデジタル機器を導入することを目的としたものではありません。学校現場にある課題を出発点に、データをどのように測定し、管理し、教育活動に生かしていくかを考えながら、実践を積み重ねてきました。

その一つが、ネクストアスリートプロジェクト(健康スポーツコース)を中心としたコースや部活動でのフィジカル測定を起点としたデータ活用です。従来は、測定結果を手書きで記録し、エクセルに入力し直すなど、データの整理や管理に多くの時間がかかっていました。

こうした課題を解決するため、本校ではDXアドバイザーであり起業家の大城祐介氏と連携し、フィジカル測定とデータ管理を一体化したデータ測定・活用基盤「Mobili」の共同開発を進めています。

Mobiliは、測定したデータをその場でプラットフォームに反映し、授業や探究活動に活用できる仕組みです。令和7年度は健康スポーツコースを中心に実証的な活用を進めてきました。

データ管理にかかる時間の削減により、教員は入力作業ではなく、「データをどのように教育に生かすか」という本質的な取り組みに力を注げるようになります。また、未成年の身体データを扱うため、セキュリティや個人情報保護にも配慮しながら、安全性と利便性の両立を目指しています。

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地域や大学と連携し、データを社会に生かす

本校のDX教育は、校内での実践にとどまらず、地域や大学との連携にも広がっています。

2026年3月には、飯塚市・福岡県立大学・飯塚高校の三者連携により、庄内交流センターで地域住民を対象とした「ウォーキング体験会」を実施しました。

計測の様子

この取り組みでは、Mobiliを活用し、参加者の歩行速度を測定。普通歩き・早歩き・両手上げ歩きの3種類の歩行を計測し、一人ひとりに合った歩行速度をその場で提示しました。2日間で約60名の地域住民が参加し、本校からは特進コースやまちLaboの生徒たちが受付、測定、データ管理などの運営に関わりました。

地域の方々の健康づくりにデータを活用するこの取り組みは、生徒にとっても大きな学びの機会となりました。データを扱う力だけでなく、地域の方々と関わりながら、社会の中でデジタル技術がどのように役立つのかを体感する機会となっています。

また、福岡県立大学との連携により、測定メニューの設計や健康指導にも専門的な知見が生かされています。高校での学びを大学や地域での実践へとつなげる取り組みとして、今後さらに発展させていく予定です。

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DXを通じて、文理横断的・実践的な学びを広げる

DXハイスクールの取り組みを通じて、本校ではデータサイエンス、地域連携、大学連携を組み合わせた実践的な学びを進めています。

九工大授業風景

これまでにも、九州工業大学 情報工学部との連携授業では、高校「情報I」の学びを基礎に、データ分析やシミュレーションなどを取り入れた探究学習を実施してきました。生徒たちは大学の先生方による講義や助言を受けながら、身近な課題をデータで捉え、分析し、発表する力を育んでいます。

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今後は、福岡県立大学との連携や地域での実証的な取り組みも含め、データを「学ぶ」だけでなく、地域や社会の課題解決に「生かす」学びをさらに広げていきます。

本校が目指すのは、デジタル技術を使いこなすだけでなく、データを通じて物事を考え、多様な人と協働しながら新しい価値を生み出せる人材の育成です。

将来的な構想

飯塚高校では、DXハイスクールの採択をきっかけに、教育活動の中で生まれるさまざまなデータを安全に管理し、授業や探究活動、地域連携に生かす仕組みづくりを進めてきました。

令和8年度は、Mobiliを段階的に全校へと展開していきます。あわせて、同年度に締結した福岡県立大学との連携教育協定に基づき、年度内に測定実習や大学教員によるデータに向き合う授業を実施する予定です。本年4月に新設された公共探究プロジェクト(特進教育医療コース)の生徒にとどまらず、幅広い生徒が高大接続の機会を得られる学びの設計を進めていきます。

地域との連携においても、庄内プロジェクトで始まった三者連携によるウォーキング体験会を継続し、地域の健康づくりと生徒の学びを並走させる取り組みを育てていきます。

データサイエンスやデジタル技術を、特定の教科やコースに閉じるのではなく、飯塚高校ならではの教育活動全体へと広げていくこと。それが、本校の目指す姿です。

令和8年度も、本校はDXハイスクール採択校として、デジタルを活用した文理横断的・探究的・実践的な学びを推進し、生徒一人ひとりが未来社会で生きる力を育む教育に取り組んでまいります。