2023年度ユネスコスクール年次活動報告【飯塚高校のGlobalな取り組み】
2023年1月に福岡の私立高校としては初のユネスコスクールに認定された飯塚高校。
2018年、ユネスコスクール(※)チャレンジ校に登録された後、2020年にはグローバル教育や地域連携の連携活動を評価され、支援大学(福岡教育大学)による審査に合格してキャンディデート校になり、2022年に正式な認定校として承認されました。
※ユネスコスクールは、国連・ユネスコの理念に沿った教育を行う学校の世界的ネットワークです。飯塚高校は国連の提唱するSDGsや多文化共生をはじめとするユネスコの重点目標を教育活動に取り入れています。
年間指導方針においてESD(持続可能な開発のための教育)への取り組みを明記した上で、グローバルな社会で生きる市民としての教育を推進してきた飯塚高校の「2023年度ユネスコスクール年次活動」内容を報告します。
2023年度の活動
2022年12月~2023年11月の活動は大きく3つあります。
ユネスコスクールが重点的に取り組む分野は以下の3つです。
(1)地球市民および平和と非暴力の文化
(2)持続可能な開発および持続可能なライフスタイル
(3)異文化学習および文化の多様性と文化遺産の尊重
これらを踏まえた教育活動を実施してきました。
(1)「地球市民教育、平和と非暴力の文化」に関する活動
全校的にSDGsの啓発に努めるとともに、地球市民としての自覚を持った人権教育を推進しました。SDGsのジェンダー平等や平和と公正の関係についての意識から、9月に全校生徒を対象に、外部講師を招いて性の多様性をテーマとした講演会を行いました。
(2)「持続可能な開発と持続可能な文化スタイル」に関する活動
「現代社会」「産業社会と人間」「総合的探究」の時間において、SDGsについての基礎知識を学習し、さまざまな教育活動にそれを反映しています。
学校全体では、地元の歴史文化を担う商店街との連携協定を生かし、多様な活動を行いました。
例えば、商店街全体を会場とした「街なか学園祭」は2022年度に引き続き、商店街の経済効果への貢献(集客、宣伝等)、環境への貢献(空き店舗の再活用、古紙を利用した手作りバッグの使用、廃棄予定の規格外野菜や果物を利用した商品の販売等)、防災やパートナーシップ、福祉に対する意識向上(大学や企業、高齢者を含めた地域の人々とのネットワークの強化)など、さまざまな側面からESDにつながる活動となりました。
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生徒会活動では、ジュニア・アチーブメントとSAPジャパンで「Social i camp」を行ったことで、フードロス問題に対する意識を高めるとともに、その解決に向けて調査を重ねました。
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その活動の一つとして、学園祭やコラボ活動で協力をいただいている企業にて、廃棄されるカカオ豆の殻(ハスク)の有効利用についての知識を得て、地域のイベントに出店しオリジナルカカオティーの販売を行いました。
その他にもペットボトルキャップの回収、ラブアース・クリーンアップの実施、地域の清掃・草刈りボランティア参加など、環境保全につながる取り組みを行っています。
(3)「異文化学習、文化多様性及び文化遺産の理解・尊重」
本校では中国、韓国、ニュージーランド、カナダ、タイ等から留学生の受け入れを行い、生徒たちと多くの交流を行っています。
海外姉妹校とは約2週間に一度のペースでオンライン交流をしているほか、日本人生徒を派遣し、帰国後に留学体験を全校集会で発表するなどして異文化理解を深めました。
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体育祭ではニュージーランドの姉妹校から贈られた飯塚高校オリジナルのハカを本校生徒が披露したり、姉妹校の生徒によさこい黒田節を紹介し、ICTを活用して双方の演舞を配信し合うなど、従来の活動に新たな視点を取り入れながら文化交流を強化してきました。
生徒会活動では飯塚山笠や地域の獅子舞への参加を通じて、地域文化財への理解と保全・継承への意識を高めました。
次年度の活動
次年度の活動に関しては、今年度の活動を踏襲しつつ、生徒の自発的なアプローチをより増加させることを目指しています。
ジェンダー平等および人権に関する講演、地域商店街での活動、国際交流など定例で行われている学習活動に関しては、体系的な計画のもと、生徒によるプレゼンテーションや課題研究の頻度を増やし、学習活動への結びつきを一層強化します。
地域活動についても、学園祭をきっかけにして、生徒の課題発見とその解決に資する行事に成長させるとともに、生徒主体の運営と発展を目指します。
国際交流に関しては、それぞれの国との交流において問題設定を行い取り組んでいきます。例えば、ニュージーランドやカナダの留学プログラムについては、多文化共生を共通テーマとして設定することで、ユネスコの理念にかなう学習の枠組みを強化します。
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